この記事では、「躊躇う」と「迷う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「躊躇う」とは?
「躊躇う(ためらう)」とは、あれこれ考えて悩んでしまうことで、決心がつかずにぐずぐずするようすのことです。
「躊躇」としたときの読みは、ちゅうちょで、「躊躇う」と同じ意味に成ります。
「躊」には、ためらう「躇」にはぐずぐずするという意味があり、同義語が合わさって出来た熟語になります。
「迷う」とは?
「迷う(まよう)」とは、
・『進むべき道や方向がわからなくなること。』
・『どうしたらよいのか決断ができないこと。』
・『心が奪われて判断力が亡くなってしまうこと。』
・『死者の霊が現世にとどまって成仏できないこと。』
・『5ものごとの区別ができなくなること。』
などの意味があります。
「躊躇う」と「迷う」の違い
「躊躇う」と「迷う」の違いを、分かりやすく解説します。
「躊躇う」は、人の心の状態に対してのみ使われ、あれこれ悩んで決心がつかない様子に対して使われる言葉ですが、「迷う」には、人の心の状態以外に対しても使われるという違いがあります。
道がわからなくなってしまった状態を表すことや、色香に心を奪われて判断力を失ってしまった状態を表すこと、死者の霊が現世に彷徨っていること、区別がつかなくなる混乱に似た状態になることなどの意味合いが「躊躇う」にはありません。
「躊躇う」とは、単に「迷う」というよりも、気持ちの方向性として、実行する方向性にあるけれど、それを実行に移せないような引き止められる別の要因があるためにぐずぐずと決断できず、行動を起こせないような状態を表します。
これに対して「迷う」は、そこまで深刻な状態でなくても使えるという違いがあります。
「迷う」は、単純に目標がわからなかったり、達成するための方法や手段がわからなかったり、単純にものごとの良し悪しの判断がつかなかったりするときにも使われます。
例えば、知識が問われる二択問題を「迷う」という使い方では、問題の選択を決断できないというイメージになりますが、知識が問われる二択問題を「躊躇う」という使い方になると、問題を判断できないことの背景には、問題を間違えた時に発生するリスクが大きいため、決断出来ないといったイメージになってしまいます。
「躊躇う」は、何らかの引き止められるような要因があってすぐに決断出来ない状態でなければ使われない言葉であるのに対し、「迷う」は、比較的単純なことがらに使われる傾向があり、道にわからない状態や知識不足などで判断がつかないことに対して使われる言葉と言う違いがあります。
「迷う」は、単純でないことにも使えますが、それを説明する文章や言葉などが必要になります。
まとめ
「躊躇う」と「迷う」の違いについて説明しました。
「躊躇う」は、あれこれ考えて悩んでしまうことで、決心がつかずにぐずぐずするようすのことであるのに対し、「迷う」は、道がわからない状態や知識不足などで決断ができないことに対して使われるという違いがあります。