進行していた事柄が止まってしまう、人との関係が絶たれてしまう、そんなことを意味する言葉に「中絶」と「断絶」と「途絶」というものがあります。
この三つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「中絶」と「断絶」と「途絶」の違いを分かりやすく説明していきます。
「中絶」【ちゅうぜつ】とは?
「中絶」には三つの意味があります。
一つ目は、中途で絶えることまたは途中でやめること、中断すること。
進行していたものが何らかの要因により止まってしまうことを表しています。
二つ目は、人との関係が不仲になること。
良好な人間関係が途絶えてしまうということです。
三つ目は、人工妊娠中絶の略。
現代においては、この三つ目の意味として使われることがほとんどではないでしょうか。
ですが、この記事では言葉の違いについて述べているので、一つ目の意味を取り上げます。
「断絶」【だんぜつ】とは?
「断絶」とは、つながりや結びつきが切れて絶えること、またはそれを断ち切ることを意味しています。
今まで比較的長い間続いてきたものが終わってしまうことを表しています。
国交断絶などという言葉がありますが、国と国という大きなつながりを断つということは、とても重大な問題が生じたということです。
「断絶」という言葉の中には、それまで長く続いてきたものを断ち切るという重い意味が含まれています。
「途絶」【とぜつ】とは?
「途絶」とは、ふさがり絶えること、とだえることを意味しています。
「中絶」と意味が似ていますが、「途絶」は、途中でやめるというわけではなく絶えてしまうということ。
「途絶」の中には、本意ではなかったというような意味合いが含まれています。
終わってほしくなかったのに終わってしまったという残念は気持ちが含まれています。
「中絶」と「断絶」と「途絶」の違い
「中絶」は、途中で絶えるというよりも、途中で「やめる」という意味合いの言葉です。
自分の意思決定により物事を中断するわけです。
「断絶」は、これまで長く続いてきたものを断ち切るという重い意味があります。
人間関係や国と国との関係、家同士の関係など、何かの繋がりというものを対象として使うことが多い言葉です。
本意にしろ不本意にしろ、とにかく「繋がりを断つ」わけです。
そしてそれほどの決断をした中には、これからはもう二度と繋がりを持つことはあり得ないというような強いメッセージが含まれています。
「途絶」は、途中でやめるというよりも、途中で「絶えてしまう」というような意味合いの言葉です。
途中で終わってしまうことが本意ではないという意味合いが含まれています。
まとめ
「中絶」と「断絶」と「途絶」の違いについて、理解して頂けましたでしょうか。
微妙なニュアンスの違いと、その中に含まれる意味が存在しました。
「中絶」は、自分の意思決定により途中で「やめる」ということ。
「断絶」は、これまで長く続いてきた「繋がりを断つ」ということ。
そこにはこれからも繋がりを持つことはないという強いメッセージが含まれていました。
「途絶」は、不本意ではあるが途中で「絶えてしまう」ということ、残念な気持ちが含まれていました。
三つの言葉を使い分けて、皆さんの生活に役立てて下さい。