この記事では、「膂力」と「腕力」の違いを分かりやすく説明していきます。
力の差を見ていきましょう。
「膂力」とは?
膂力(りょりょく)とは、筋肉の働きのひとつ。
おもに腕の力をあらわします。
肩から二の腕そして肘から手首までの、上腕三頭筋などの筋肉をしめします。
もともと「膂力」の「膂」という漢字は「背骨」という意味があります。
体の奥からわき上がってくる、筋骨隆々としたさまが膂力です。
鍛えられた肉体を活かしたアスリートの腕っぷしの強さや、百人力をあらわす言葉です。
「持ち前の膂力を活かして、ライバルを打ち負かす」や「膂力あふれる、力つよい演奏をおこなう」といいます。
「腕力」とは?
腕力(わんりょく)とは、腕全体のパワーのこと。
パンチを食らわせたり平手打ちをしたり、腕全体をつかった働きをいいます。
ボクシングやキックボクシングの試合など、アスリートの世界でも使われる勇ましい言葉です。
昔から日本には「腕」にまつわる、ことわざが幾つもあります。
腕という漢字には「その人の能力」という、大切な意味もあるからです。
例えば「腕が上がる」は、技術が身につくこと。
「腕が立つ」は優れた人をいいます。
「腕がいい」だと、いい仕事をおこなう職人さんをあらわします。
仕事やスポーツの世界で圧倒的な力を見せつけること、そうした力が腕力です。
「膂力」と「腕力」の違い
どちらも「力」という単語がはいっているので、間違えやすいです。
「膂力」と「腕力」の違いを、分かりやすく解説します。
・よく使うのは腕力
「膂力」と「腕力」はどちらも、腕の力をあらわします。
ただ膂力は腕の筋肉など、部位をしめすことが多いです。
また膂力の「膂」の字が常用漢字ではないことから、日常的に用いられる回数は極めて少なくなっています。
そのため新聞やニュースの記事で「膂力」を見かけることは滅多にありません。
かわりに使われているのが腕力です。
腕力はフィジカルなパワーをあらわします。
引き締まった体からもたらされる、剛腕をあらわす言葉が腕力になります。
アスリートの世界では「上半身の強さ」を例えます。
腕力と似た言葉に握力がありますが、腕力が「腕の強さ」であるのに対して、握力は「握る強さ」を指します。
ボールを遠くに投げたりバッドを振ったり、クロールのように激しい動きをおこなうのに必要な能力は「腕力」になります。
まとめると「膂力」と「腕力」はどちらも腕の強さをあらわします。
日常的に使われているのは「腕力」です。
腕力は重たい物を持ち上げ、遠くに投げる上半身の力をさします。
健康維持のためにも必要な働きです。
まとめ
「膂力」と「腕力」の違いをあらためてお伝えしました。
「膂力」と「腕力」は肩から手首までの腕の強さをあらわします。
「膂力」は難しい漢字が使われているので、日常生活で見かけることは、ほとんどありません。
腕力は重たい物を持ち上げる、上半身の強さをあらわす言葉です。