この記事では、「人的ミス」と「人為的ミス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人的ミス」とは?
「人的ミス」は、「人間の行動や判断が要因となって引き起こされた失敗や誤り」のことです。
人間による失敗という意味で、「ヒューマンエラー」と呼ばれています。
「人為的ミス」とは?
「人為的ミス」は、「人間の行為がきっかけとなって引き起こされた失敗や誤り」のことです。
「人的ミス」と同様に、人間による失敗という意味で、「ヒューマンエラー」と呼ばれています。
「人的ミス」と「人為的ミス」の違い
どちらの言葉にも「人的ミス」の文字があることから、意味合いとしてはどちらも同じという見方もあります。
また、厚生労働省が発表している資料によると、「人的ミス=ヒューマンエラー」という情報があります。
これらを踏まえると、「人為的ミス」という言葉は、何か別の言葉と混同されたことで、「人的ミス」との混同に及んだ可能性があります。
「人的ミス」と「人為的ミス」の使い方と注意点
ここでは、「人的ミス=ヒューマンエラー」という認識に基づいて解説を進めていきます。
仕事や取り組みにおいて、そこに人間が携わる機能は大きく分けて4つあると言われています。
・認知する
・記憶する
・判断する
・行動する
この中のいずれか、または複数が適正に機能しなかった場合に起こるミスを、「人的ミス=ヒューマンエラー」と呼ぶということが分かります。
この4つの中で、人間が実際の行為に及ぶ機能は「行動」です。
例えば、車の運転(交通事故)、機械の操作(ボタンの押し間違い)、パソコン操作(入力ミス)などは、実行に移したから起こった問題であると言えます。
このことから、人間の行動や行為によって起きたミスを言い表す「人為ミス」という言葉が使われるようになりました。
これが、いつしか「人為的ミス」と言い換えられたことにより、「人的ミス」と「人為的ミス」の2つの言葉が混在するようになったと考えられます。
注意点としては、実際にどんな行為が「人為的ミス」とみなされるのかということです。
「人的ミス」と「人為的ミス」の例
・「業務マニュアルは作成されていたが、現場に浸透していなかった」
せっかくのマニュアルが機能していませんでした。
これは、「認知」が行き届いていないケースと言えそうです。
ですから、「人的ミス」の部類に入ると考えられます。
・「疲れがたまり、ぼんやりと考え事をしながら車の運転をしていたら、追突してしまった」
車を運転しなければ事故を起こさずに済んだかも知れません。
「人為的ミス」と捉えることが出来るでしょう。
また、過密なスケジュールや分担作業による負担軽減が出来ていないのは、“仕組み”の問題とも言えますので、「人的ミス」と切り分けが出来そうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「人的ミス」と「人為的ミス」の違いは、微妙なニュアンスではありますが、人間が実行に移した際に起きたミスや問題を「人為的ミス」とすることが出来ます。
管理や仕組みに関する問題と、行動を起こす前に出来る判断などは、「人的ミス」と分類できます。
みなさんも、日常の中で起こりうる問題に対して、あらかじめ想定や改善の余地がある事柄を探し出して、「人的ミス」や「人為的ミス」を未然に防ぐ方法に取り組んでみてはいかがでしょうか。