自分自身のことを語るうえで使われる機会のある三つの言葉、「自主」と「自立」と「自律」。
似た響きのあるこれらの言葉ですが、違いは一体どこにあるのでしょうか。
この記事では、「自主」と「自立」と「自律」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自主」【じしゅ】とは?
「自主」とは、他人の保護や干渉を受けず、独立して事を行うことを意味する言葉です。
他人からの干渉で行うことが一般的である事柄に、「自主」の言葉をくっ付けて用いられることの多い言葉です。
例えば、他人からされることが一般的な「管理」という事柄とくっ付けて「自主管理」。
自分で自分の行動を管轄し、取り仕切ることを言います。
もう一つ挙げるならば「自主規制」。
他人がルールを作って、それに基づいて取り締まりを受けることが一般的な「規制」を、全部自分で行います。
「自主」の例文
・『自発的に行うトレーニングのことを、自主トレとも言います』
・『ダイエットを成功させる秘訣は、自主管理を徹底することです』
「自立」【じりつ】とは?
「自立」とは、他からの援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすることを意味する言葉です。
一般的に言われている「自立」は、親からの「自立」が多いです。
例えば、実家を離れて一人暮らしを始めるというのが、「自立」の代表的なものとしてイメージ出来るのではないでしょうか。
ですが、周囲から見てその人が実際「自立」出来ているかどうかわかりづらい為、一人暮らしイコール「自立」と言うのが定着していますが、そうとも限りません。
一人暮らしをしていても、親からの仕送りで生活しているなどという場合は、「自立」出来ているとは言い難いです。
「自立」の例文
・『一人暮らしをすることが自立することだとは、一概には言えない』
・『一人立ちできる力が身につくまで、自立支援を行う』
「自律」【じりつ】とは?
「自律」とは、自分で自分の行動を規制すること、自身の立てたルールに従って行動することを意味する言葉です。
言葉としては「自主規制」と似たような意味を持ちます。
単体で使われることは少なく、馴染みのある言葉としては「自律神経」というものが挙げられるのではないでしょうか。
もし単体で用いる場合は、読みが同じである「自立」と混同しないよう注意が必要です。
「自律」の例文
・『具合が悪くて診断を受けたが、自律神経失調症だと言われた』
・『自己暗示をかけリラックスを図ることが、自律訓練法の第一歩だ』
「自主」と「自立」と「自律」の違い
「自主」は、単体で使われることの少ない言葉です。
他の言葉とくっ付けて、「自分で行うこと」を強調させます。
「自立」は、金銭的かつ精神的にも「一人でやっていける」ことを言います。
「自律」は、いわば「自主規制」です。
自分を戒め行動することを意味します。
まとめ
「自主」「自立」「自律」について述べてきましたが、細かなニュアンスの違いがありました。
三つの言葉の違いを自分なりにも考えることが、自分自身を見つめ直すいいきっかけになるかもしれません。