「席巻」と「圧巻」の違いとは?使い方や例文も解釈

「席巻」と「圧巻」の違い生活・教育

この記事では、「席巻」「圧巻」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「席巻」と「圧巻」の違い

「席巻(せっけん)」「圧巻(あっかん)」の違いは、「席巻」「凄まじい勢いで勢力を拡大していくさま」を意味しているのに対して、「圧巻」「物事・作品の全体の中でもっとも優れている部分」を意味しているということです。

「席巻」「ある時期・範囲において勢いよく勢力・人気などを拡大する」を意味していて、「圧巻」のほうは「全体の中でもっとも良い部分・見所になるところ」を意味している違いを指摘できます。


「席巻」と「圧巻」の使い方の違い

「席巻」「圧巻」の使い方の違いは、「席巻」の表現は「ある時期・業界・範囲において、凄い勢いで勢力(人気)を拡大した場合」に使いますが、「圧巻」のほうは「物事・作品の全体の中でもっとも優れている部分・箇所」を指示して使います。

例えば、「新型コロナウイルスが世界を席巻しました」「鬼滅の刃は竈門炭治郎が必殺技で敵を倒すシーンが圧巻です」のような文章で使います。


「席巻」と「圧巻」の英語表記の違い

「席巻」を英語で表記すると、以下のようになります。

“be taking over”“be conquering”(征服するの原義から席巻するを意味しています。

“be sensational”(人々が騒いで評判になっているさま・席巻する)

「席巻」に対して「圧巻」を英語で表記すると、以下のようになります。

“the best part”(ベストな部分・一番良い部分・圧巻)

“the highlight”(作品やスポーツでもっとも素晴らしい部分・圧巻)

“masterpiece”(名作・傑作・圧巻)

上記のように、「席巻」の英語表記は“be sensational”などで、「圧巻」の英語表記は“the best part”などであるという違いを指摘することができます。

「席巻」の意味

「席巻(せっけん)」という言葉は、「凄まじい勢いで勢力・人気などを拡大すること」を意味しています。

「席巻」の語源は中国前漢の歴史書『戦国策』にあり、元々は「席(むしろ)を巻くように片っ端から外国の領土を攻めとって拡大すること」を意味していました。

「席巻」の使い方

「席巻」という言葉は、「凄まじい勢い(速度)で勢力(人気)を拡大する場合・ある時期や範囲で急速に評判になる場合」に使うという使い方になります。

例えば、「SMAPや嵐の全盛期にはジャニーズが芸能界を席巻しました」といった文章で使えます。

「席巻」を使った例文

・『GoogleやAmazon、Apple、Facebookといったアメリカの超巨大IT企業が時代を席巻しています』

・『経済的にも軍事的にも拡大傾向を見せている中国が、世界を席巻しつつあります』

・『新しいゲームのコンセプトを打ち出した任天堂スイッチがゲーム市場を席巻しました』

・『オリジナル番組を多く制作しているNetflixが、動画のサブスクリプション業界を席巻しました』

・『1940年代の歴史には、ファシズムの嵐がヨーロッパやアジアを席巻する危機の時代がありました』

「席巻」の類語

「席巻」の類語には、「持て囃される・脚光を浴びる・耳目を集める・時代の寵児になる・旋風を巻き起こす」などがあります。

「席巻」の言葉は、「ある時期にもてはやされて脚光を浴びること」「急速に話題になって耳目を集めること」「凄い勢いで人気を集めて時代の寵児になること」「ある業界・市場の範囲で旋風を巻き起こすこと」を意味しているのです。

「席巻」の対義語

「席巻」には国語辞典などに掲載される対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉として「勢いの失速・勢力の縮小・評判が落ちる・人気の凋落」などを考えることができます。

「席巻」の表現は「物凄い勢いで勢力を拡大して評判(人気)を高めること」を意味しているため、それとは反対の言葉として「勢いの失速・勢力の縮小・評判が落ちる・人気の凋落」を挙げられます。

「圧巻」の意味

「圧巻」という言葉は、「物事・作品・物語の全体の中でもっとも優れている部分あるいは一番素晴らしい部分」を意味しています。

「圧巻」の語源は、古代中国における科挙(エリートの官吏採用試験)の『巻(答案)』の中で、最も優れた内容が書かれた答案を全ての答案の一番上に載せて示したことに由来しています。

「圧巻」の使い方

「圧巻」の使い方は、「物事・作品(本や劇)の全体の中でもっとも優れている部分を指示する場合」に使うという使い方になります。

例えば、「今回の全米オープンでは、お互いに一歩も引かず、相手のコートに何度も打ち込み合うラリーが圧巻でした」などの文章で使うことができます。

「圧巻」を使った例文

・『この映画では、恋人を冷たく裏切ったと思われた男の秘密・理由が明らかにされる場面が圧巻でした』

・『全豪オープンでは、メンタルが強くなった大坂なおみが圧巻のパフォーマンスを発揮しました』

・『この演劇の舞台では終盤にある圧巻のシーンを見逃さないように注意してください』

・『屋久島の観光では、何といっても長い時間をかけて歩かないと見ることができない縄文杉(屋久杉)が圧巻です』

・『投資の世界で成功した人物が、次第に強欲になって破滅する場面が映画『ウォールストリート』の圧巻です』

「圧巻」の類語

「圧巻」の類語には、「クライマックス・佳境・見せ場・山場・ハイライト・呼び物・見せ所」などがあります。

「圧巻」という言葉は、「作品・物語のクライマックス(佳境)」「イベント・作品の見せ場(山場)」を意味しています。

また「圧巻」には、「イベントなどでもっとも注目を集める呼び物・ハイライト・見せ所」といった意味合いもあるのです。

そのことから、「圧巻」と類似した意味を持つ類語として、「クライマックス・佳境・見せ場・山場」などが挙げられます。

「圧巻」の対義語

「圧巻」の対義語には、「互角・伯仲(はくちゅう)・駄作・つまらない部分・劣った部分」などがあります。

「圧巻」の言葉は「全体の中で特に優れている部分・他と比べて素晴らしい部分」を意味しているので、それと反対の意味を持つ言葉として、「他との間に優劣がなくて同程度の力があること」を示す「互角・伯仲」を挙げられます。

また「全体の中でもっとも素晴らしい部分」を示す「圧巻」の対義語として、「駄作(つまらない作品)・つまらない部分・劣った部分」といった言葉も想定することができます。

まとめ

「席巻」「圧巻」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「席巻」「圧巻」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。