この記事では、「過信」と「盲信」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過信」と「盲信」の違い
「過信」と「盲信」の違いについて紹介します。
「過信」と「盲信」の使い方の違い
「過信」は「人や物の価値や能力を本来よりも大きく信じすぎてしまうこと」に使われます。
価値や能力があることが前提で、実際よりも高く評価してしまうことを言います。
「盲信」は「よく分かっていないのに全て信じてしまうこと」に使われます。
そもそもその人やものごとが分らない状態で、全て本当だと思ってしまうことを言います。
「過信」と「盲信」の英語表記の違い
「過信」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「overconfident」で、「自信過剰な」という意味です。
“You should never be overconfident.”
(君は決して過信してはいけない)
2つ目は「big-headed」で、「頭でっかち=思い上がった」という俗語的な表現です。
“He is big-headed, thinking he can do everything.”
(彼は自分が何でもできると過信しているよ)
「盲信」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「believe unquestioningly」で、「疑問を感じずに信じる」というニュアンスです。
“People believe him unquestioningly as the leader.”
(人々は彼を指導者として盲信している)
2つ目は「have blind faith in」で、「頭から信仰する」というニュアンスです。
“She has blind faith in her master.”
(彼女は師匠と仰ぐ人を盲信している)
「過信」の意味
「過信」は「かしん」と読みます。
意味は「人や物の価値や能力などを、実際よりも高く評価して信頼しすぎること」です。
その人や物が本来持っている価値や能力を理解できずに、実際よりも高いと思い込んでしまうことを言います。
「過」は「すぎる」とも読み、「甚だしい」「度を超えている」という意味、「信」は「本当であると疑わないこと」という意味、「過信」で「度を超えて本当だと思い込むこと」になります。
「過信」の使い方
「過信」は、「ある物への評価や期待が実際よりも著しく高いと信じてしまうこと」に使われます。
「過信だ・である」と名詞・形容動詞として使われたり、「過信する・した」と助動詞を伴って使われることが多くなります。
「過信」は、人だけではなく才能や技術、物など、様々なものに対して使われます。
基本的に、「高く評価し過ぎて失敗する」「思いこんでいる人をたしなめる」などのシーンで使われる言葉です。
「過信」を使った例文
・『この会社は社員の体力を過信しているブラック企業だ』
・『自分の体力を過信して運動したら、翌日筋肉痛で動けない』
・『コンピュータを過信すると、とんでもないトラブルが起きるよ』
・『冷蔵庫を過信して何でも詰め込んでしまうのは良くない』
・『自分の能力を過信して出しゃばってしまい、締切に間に合わなくなってしまった』
「過信」の類語
「慢心(まんしん)」
「得意気になること」「高慢になり相手を見下すこと」という意味です。
「自惚れる(うぬぼれる)」
「実際以上に自分が優れていると思い込んで得意になること」という意味です。
「過信」の対義語
「不信(ふしん)」
「相手やものごとを信用しないこと」という意味です。
「盲信」の意味
「盲信」は「もうしん」と読みます。
意味は「ものごとの意味を理解していないのに、頭から信じて疑わないこと」です。
ある人やものごとに対して、訳もわからず「それが正しい」と思い込むことを言います。
「盲」は「めくら」「めしい」とも読み、「訳が分かっていない様子」という意味、「盲信」で「訳が分からないのに本当だと思い込むこと」になります。
「盲信」の使い方
「盲信」は、「意味を理解していないのに、信じて疑わないこと」に使われます。
「盲信する・した」と助動詞を伴って使われることが多くなります。
人やものごとなどに幅広く使われますが、自分では「盲信している状態」には気づきません。
あくまで周囲の人が本人に対して使う言葉ですが、後になってきちんと理解できる様になってから自虐的に使うこともあります。
「盲信」を使った例文
・『彼女は洗脳されて、ある宗教を盲信している』
・『彼女はそのサプリがどんな病気でも直すと盲信している』
・『どんなに素晴らしい人でも盲信するのは良くない』
・『彼は師匠と呼ばれる人を盲信してブラック企業から抜け出せずにいる』
・『彼女は占いを盲信して何から何まで占いで決めている』
「盲信」の類語
「狂信(きょうしん)」
「激しく信じ込んでしまい、冷静に判断できなくなっている状態」とく意味です。
「傾倒する(けいとうする)」
「あるものごとに夢中になり、深くのめりこむこと」という意味です。
「盲信」の対義語
「懐疑(かいぎ)」
「なんでも疑ってしまい、結論が出せないこと」という意味です。
まとめ
今回は「過信」と「盲信」について紹介しました。
「過信」は「実際よりも信じすぎてしまうこと」、「盲信」は「分かっていないのに信じてしまうこと」と覚えておきましょう。