この記事では、「環境」と「状況」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「環境」と「状況」の違い
「環境」とは、周りを取り巻く家庭、経済状態、人間関係などの状態のことです。
人為的なものもそうでないものも、物理的なものもそうでないものも指しています。
「状況」とは、物事のその時々で変わるさまのことです。
「状況」は、家庭、経済状態、人間関係のことなどを指すことができますが、「状況」が意味しているのはその時々のさまです。
つまり、ある一定条件下のある時点での状態を意味することになります。
「環境」は「状況」とは異なり、もう少し長期的な意味が含まれています。
また、生物に影響を与える外界という意味もあります。
相互に関係しあって、影響を与えます。
「環境」と「状況」の使い方の違い
周りを取り巻く世界のことに「環境」という言葉を使用します。
「居住環境」のような使い方をし、この場合は住む場所の空間のことを指しています。
そこに住む人間や動物を取り巻いている世界といえるでしょう。
家の環境は、底に住む生物に影響を与えます。
周りを取り巻く世界のことでも、その時々に変わる世界のこと指す場合には「状況」を使用します。
「室温35度の状況では熱中症になるのも無理はない」のような使い方をしますが、居住空間のことであっても、室温はその時々で変化するものなので「環境」ではなく「状況」を使用します。
「環境」と「状況」の英語表記の違い
「環境」は英語で“environment”と表記をします。
「自然環境」のことは、“the”をつけて“the environment”とします。
「状況」は英語で“conditions”や“situation”と表記をします。
「環境」の意味
「環境」とは、周りを取り巻く状態や世界のことで、生物に影響を与える外界のことを指しています。
人が置かれる家庭、経済状態、人間関係などの意味も含まれます。
「家庭環境」という場合は、ある家庭の状態のことを指しています。
父、母、子1人の家庭で、父は会社勤め、母はパート、子どもは小学1年生など、家庭の状態のことを「家庭環境」といいます。
お互いがそれぞれに影響を与え合う関係になっています。
家庭、経済状態、人間関係などは、それに接する人と相互に関係していることになります。
「家庭環境」であれば、父、母、子は、直接的・間接的に互いに影響を与えあっており、こういったものを「環境」といいます。
「環境」の使い方
周囲を取り巻く状態について使用をします。
人、人以外の生物、物理的なもの、人為的なもの、人為的でないものなど、さまざまなことに使用が可能です。
人為的なものでない使い方とは、「自然環境」といったものです。
自然は人間が作ったものではありません。
「環境」は変えられる場合と変えられない場合があり、変えられるものにも、変えられないものにも使用可能です。
「自然環境」は人間の力で簡単に変えられるものではありません。
それに対し、「住環境」は努力次第で変えることができます。
「環境」を使った例文
・『環境破壊が心配される』
・『部屋の環境を整える』
・『環境を調査する』
・『環境が人に影響を与える』
・『生物が住みやすい環境を考える』
「環境」の類語
「境遇」が類語です。
「境遇」には、その人が置かれた家庭環境、経済状態、人間関係などの状況という意味があります。
「環境」の対義語
「環境」は生物を取り巻く外界のことなので、対義語は「内界」になります。
「状況」の意味
「状況」とは、物事の変化するその時々のありさまです。
「状況を報告する」のような使い方をしますが、この言葉には、その時々のありさまを伝えるという意味があります。
仕事をしていると、何度も報告する場面があるはずです。
報告する内容は、その時々で違うことでしょう。
つまり、変化しているのです。
月曜日に報告した内容と、翌日の火曜日に報告した内容は違い、物事の変化するその時々のありさまということができます。
「状況」の使い方
物事のその時々のありさまを指すときに使用をします。
変化のないことには使わないことが多いです。
「状況」を使った例文
・『状況を判断して行動をする』
・『状況をよく見極める』
・『自分が置かれている状況を考える』
・『状況の変化に対応をする』
・『昨年とは状況が違う』
「状況」の類語
「様子」「状態」「形勢」が類語です。
「様子」には、外から見てわかるもののありさまという意味があります。
「状態」は「状況」とほぼ同じ意味です。
「形勢」には、変化する物事のそのときの勢力関係の意味があります。
「状況」の対義語
対義語はありません。
まとめ
周囲の状態を意味する2つの言葉ですが、「環境」は周囲を取り巻き影響を与える外界のこと、「状況」はその時々のありさまのことを意味しています。
まったく同じ意味なのではありません。