「南四国」と「山陽」はどちらも西日本の一部地域ですが、詳細なエリアや特色などが異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「南四国」と「山陽」の違いを分かりやすく説明していきます。
「南四国」とは?
「南四国」は「みなみしこく」と読む言葉で、その名の通り「四国の南側」にあたる地域のことを示します。
具体的には「四国山地の南に位置する地方」を意味し、通常は「徳島県」と「高知県」のことを指します。
一年を通して温暖な気候に恵まれているほか、南東側からの季節風や黒潮の影響を受けるエリアとして知られています。
「南四国地方」と呼ばれることもあります。
「山陽」とは?
「山陽」は「さんよう」と読む言葉で、「中国山地の南、瀬戸内海側に位置する地方」を意味し、具体的には「岡山県、広島県、山口県の中南部」を指しますが「兵庫県の南部地域」が含まれることもあります。
「瀬戸内海式気候」の影響を受けるエリアで、「山陽地方」と呼ばれる場合もあります。
「南四国」と「山陽」の違い
「南四国」と「山陽」はいずれも中四国地方にあるエリアですが、詳細な位置や気候、 特色に違いがあります。
「南四国」は「四国山地の南側に位置する地方」で、一般的には「徳島県と高知県」のことを指します。
暖流として有名な黒潮や、南東からもたらされる季節風の影響を受けるため年間を通じて温暖な気候に恵まれていますが、降水量や台風が通過する機会が多いという側面もあります。
一方、「山陽」は「中国山地の南側に位置する地方」を示し、「岡山県、広島県、山口県の中南部」に加えて「兵庫県の南部地域」が追加される場合もあります。
「瀬戸内海式気候」の影響を受けることから比較的温暖で降水量が少ないほか、中国山地と四国山地に挟まれているため北西から吹く季節風の影響を受けにくいといった特徴があります。
また、「南四国」と「山陽」は農業の方法や名産品にも相違点があります。
「南四国」は温暖な気候やビニールハウスを活用し、作物の成長をスピードアップさせて短期間で栽培する「促成栽培」が実施されており、ナスやピーマン、シシトウ、ショウガなどの生産が盛況とされています。
漁業も盛んで、高知県沖ではカツオやキンメダイ、サバなどが水揚げされています。
「山陽」の場合は降水量が少ない気候を活用したフルーツの生産が活発で、ブドウやモモ、レモン、ミカンなどが栽培されています。
漁業については瀬戸内海の穏やかな波を利用した養殖が盛んで、特に広島県における牡蛎の養殖は全国的にも有名です。
上記に加えて鯛の養殖がおこなわれたり、フグが漁獲されたりしています。
まとめ
「南四国」と「山陽」を区別する際は、「四国山地の南側」や「中国山地の南で瀬戸内海側」といった点に着目して判断しましょう。
両者の気候や名産品などにも違いがありますので、地理的な位置と併せてチェックしておいてください。