人の物事に対して見方考え方などに関連する言葉で「視座」と「観点」と「視点」というものがあります。
 一見似た印象を持つこれらの言葉ですが、違いはいったいどこにあるのでしょうか。
 この記事では、「視座」と「観点」と「視点」の違いを分かりやすく説明していきます。
「視座」【しざ】とは?
「視座」とは、物事を見る時の立場というような意味合いです。
 主にビジネスの場面で使われる言葉になります。
 同じ組織の中にも様々な部署などがあり、それぞれ立場が違います。
 また部署以外のくくり以外にも様々な立場がありその立場特有の意見主張などがあるものです。
 ある組織やグループの中での「立ち位置」のようなことであり、「視座」とは、物事を考える時にどの場所から見ているかといったニュアンスになります。
「視座」の例文
 ・『経営者には、視座を高く持ち俯瞰して物事を見られる人になって欲しい』
 ・『視座が違えば意見も違うことは当然とも言える』
「観点」【かんてん】とは?
「観点」とは、物事を観察考察する時の立場というような意味合いです。
 先述の「視座」と同じく立場を表すものですが、「観点」での立場とは「分野の違い」に重きを置いた立場といったニュアンスになります。
「視座」は立ち位置による立場といったことを表したものなので私情が多く入る傾向にありますが、「観点」は分野の違いによる立場といったことで分野特有の考えということなので、そういった面で私情は入りにくいとも言えます。
「観点」の例文
 ・『道徳的な観点から見れば許されないことなのかもしれないが、経営の観点から見れば仕方ないことなのかもしれない』
 ・『多様な観点から物事を見過ぎて逆に混乱してしまった』
「視点」【してん】とは?
「視点」とは、物事を観察考察する時に注目する場所というような意味合いです。
 先述の「視座」「観点」が立場といったことを意味していたのに対し、「視点」は物事のどこを見るのかといったことになります。
 同じ物事を観察する時でも人によって見る場所は違いますし、同じ人でもその時々でも見る場所は違ってきます。
 そのことから考えると「視点」は「視座」や「観点」から比べると数が多くあり、一番馴染みの深い言葉であるとも言えます。
「視点」の例文
 ・『会議で煮詰まったら視点を変えてみるのもいいかもしれない』
 ・『相手の視点で物事を考えてみよう』
「視座」と「観点」と「視点」の違い
「視座」とは、「物事を見る時の立ち位置の違いによる立場」といった意味合いになります。
「観点」とは、「物事を観察考察する時の分野の違いによる立場」といった意味合いになります。
「視点」とは、「物事を観察考察する時に注目する場所」といった意味合いになります。
まとめ
 ここまで「視座」と「観点」と「視点」について例文をまじえて違いを説明してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
 細かいニュアンスの違いではあるものの確かに違いがありました。
 この記事の内容が皆様のお役に立てるなら幸いです。



