「検証」と「検討」と「協議」、これらの熟語は似た意味の言葉ですが、使い分けに自信はありますでしょうか。
この記事では、「検証」と「検討」と「協議」の違いを分かりやすく説明していきます。
「検証」とは?
「検証」とは、間違っているかもしれない事柄に対しての事実確認をすることです。
本当はどうかを詳しく調べることを言います。
また、仮に立てた説を正しいと主張するために、根拠を解き明かすことです。
「検証」の「検」には、論理的に正しいか嘘かを調査するという意味合いがあります。
「証」は正しいことを解明するという意味です。
このような意味があり、刑事や民事訴訟において、証拠品について調べることも「検証」と言われています。
「検証」の例文
・『捜査機関が検証許可状を発行し、身体検査を始めた』
刑事訴訟において、検証許可状があれば、捜査機関は検証をすることができ、物的証拠を探し出しています。
・『データに間違いの可能性が見られたので検証を要する』
間違いがどこにあるかを確かめようと、検証して真偽を調べるようです。
「検討」とは?
「検討」は「検証」と似ている言葉で、あるテーマについて多面的な視点からじっくり考えることです。
色々な場面を考慮して考えていくので、深みがあります。
「検討」の「討」には、物事を掘り下げて極めていくという意味を持っています。
「検討」で、調査を掘り下げるので、「検証」よりも深く考えていくことになります。
「検討」の例文
・『そのご意見については以前も寄せられており、店内で検討します』
お客様からのご要望により、お店を改善するため話合いの場が設けられることがあるでしょう。
・『今回の試合は改善すべき点が複数あったので、検討が必要だ』
どこを改良したらよいのか皆で考えると、スポーツをより楽しむことができるでしょう。
「協議」とは?
「協議」は、人々が集まって話し合い、テーマについての方向性を決めることを意味しています。
自分の意見を相手に伝え、理解し認められるまで話し合います。
似た意味の言葉に「議論」がありますが、「協議」は、沢山の意見を集め、多くの人が納得できるよう、まとまった答えを出すのが目的ですが「議論」は多くの人の意見を出すという意味にとどまります。
「検討」には複数の人と話し合うだけでなく、一人で考える場合もありますが「協議」は複数人が参加するので、この点が「検討」と「協議」の違いです。
「協議」の例文
・『前回の協議により、防犯対策に新しい項目が加わった』
防犯対策について町内会で話し合った結果、新しい対策が増えたということです。
・『その件は、恐れ入りますが御社でご協議頂けないでしょうか』
取引を行っている会社に、話し合いをお願いするときの表現です。
「検証」と「検討」と「協議」の違い
「検証」は調べて考えるという意味ですが、「検討」は色々な方向から深く考えるという意味が強いのに対し、その意味は「検証」にはありません。
「検証」は調べて考えるという意味を持ちます。
考えるよりも調べる意味が若干強いようです。
「協議」は複数で話し合う意味が含まれていますが、「検討」は一人でも「検討」です。
まとめ
上の三語は、調べ、考え、話し合うという三つの主な意味がそれぞれにありますが、熟語にすると似た言葉のように見えますので、判別が少し難しいようです。
意味の違いを文脈で捉えられるようになりたいものです。