色即是空。
この世にあるものはいつか滅びるはかない運命にあります。
そんな朽ちたものに対して使われる言葉3つを今回ご紹介します。
この記事では「廃墟」と「遺跡」と「廃屋」の違いを分かりやすく説明していきます。
「廃墟」とは
これは『建物や市街などが何等かの理由で放置されてしまい荒れた状態になっていること』を表した言葉です。
ポイントは『建物』や『市街』というかなり範囲が広い部分です。
例えば家や工場、学校などの建物に対していうこともあれば、大きな町や道などに対して使うこともできます。
『廃墟』になる理由は様々存在しており、例えば戦争や災害などで荒れ果ててしまい、人が生活をすることができなくなってしまう場合や、人口減や企業が撤退をしてだんだんと人に見捨てられるような場所にも使います。
少し脱線をすると『廃墟』という漢字を最近では『廃虚』という字に代用することもあるのもトリビアの一つです。
「遺跡」とは
これは『歴史に残る重要な事件や建造物のあった跡地』という意味を持っている言葉です。
ポイントは『重要な事件や建物のあった』という部分です。
『遺跡』にも人は基本的に住んでいないことは間違いありません。
理由は先ほどの『廃墟』で挙げた通り、なんらかの理由によって荒れ果ててしまったことにありますが、歴史の教科書に載る様な出来事や建物があったという事実や国や自治体、ユネスコ協会などの組織が認定する価値があるとみなした場所や建物に対して使われるがこの『遺跡』という言葉が持つ意味の詳しい背景です。
例えば『原爆ドーム』は太平洋戦争末期の『原爆投下』という歴史的な事件により破壊され本来の産業奨励館という意味をなさなくなった後も、事件の悲劇を伝える価値を持つという意味で『遺跡』と言えます。
世界遺産にも登録されていることから、本来の機能を失ってもいかに歴史的価値を持っているかがうかがえるのではないでしょうか。
「廃屋」とは
これは『住む人や管理する人がおらず、荒れ果ててしまった家屋』を表します。
『廃家』ともいうことができます。
この言葉のポイントは『建物』ではなく『家屋』にあります。
対象が限定されているのです。
荒れ果ててしまう建物は先に上げた通り、家以外にも工場や病院など数多くありますが、どれも『廃工場』や『廃病院』とは呼んでも『廃屋』とは呼びません。
あくまでも『家屋』という『人が住むための建物』に対して使われる言葉が『廃屋』であると覚えましょう。
「廃墟」と「遺跡」と「廃屋」の違い
それぞれ『何らかの理由で見捨てられ荒れ果てた場所や建物』、『文化的、歴史的な価値を持つ荒れ果てた場所や建物』、『何らかの理由で見捨てられ荒れ果てた家屋』という違いをつけることができます。
一番大きな範囲としては『廃墟』がありますが、そこに価値や歴史的意味があれば『遺跡』になり、単に見捨てられた家屋に対象を限定するのであれば『廃屋』になると覚えて頂ければ間違いありません。
まとめ
如何でしたでしょうか。
『廃墟』を対象や背景で派生させたものが『遺跡』と『廃屋』であるというイメージを付けることができたのではないでしょうか。
これ以外にも『遺跡』と『遺産』の違いなどまだまだ細かな対象があります。
是非違いを比べてみてください。