この記事では、「設える」と「設ける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「設(しつら)える」とは?
「設える」とは、「こしらえて設ける」や「備え付ける」、「部屋などを整えて、飾り付ける」という意味を指す言葉です。
「設える」は「用意する」や「設備する」、「整える」、「飾り付ける」という意味を指す古語「設ふ(しつらふ)」に由来を持ちます。
「設(もう)ける」とは?
「設ける」とは、「事前に用意や準備をしておくこと」や「建物などを設置したり、こしらえること」を意味する言葉です。
「設える」と「設ける」の違い
「設える」も「設ける」も同じ漢字が使われていますが、意味するところは異なります。
「設える」は主に物などを備え付けたり、何かを飾り付けたりすることを指す言葉です。
対して、「設ける」は主に予め備えておくことや、建物や機関などを設置することを指す言葉です。
「設ける」は特に「予め備えておくこと」の意味で用いられる場合、様々なモノを対象に取ることができるため、使い勝手の良い汎用的な表現と言えます。
「設える」の例文
・『彼女の部屋は中世ヨーロッパを想起させるアンティーク調に設えられていた』
・『庭園の飾り付けは父が趣味で設えたものだ』
・『あのユニークなシルエットをした書棚は、部屋の主がデザイナーに依頼して設えたものらしい』
「設ける」の例文
・『前回の被害を教訓として、新たな災害予防対策が設けられた』
・『講師は結論を述べる前にまず分かりやすい仮説を設けた』
・『国際的イベントの開催に際して、新たな専門機関が設けられた』
まとめ
・ 「設(しつら)える」とは、「こしらえて設ける」や「備え付ける」、「部屋などを整えて、飾り付ける」という意味を指す言葉です。
・「設(もう)ける」とは、「事前に用意や準備をしておくこと」や「建物などを設置したり、こしらえること」を意味する言葉です。