「硬式野球」、「準硬式野球」、「軟式野球」とありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「硬式野球」、「準硬式野球」、「軟式野球」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
日本における「野球」
日本における野球には「硬式野球」、「準硬式野球」、「軟式野球」の3種類があり、それぞれ別々の競技に分類されています。
このうち「準硬式野球」、「軟式野球」は日本で誕生した、日本独自の競技です。
「野球」の発祥地であるアメリカをはじめ、海外に「準硬式野球」、「軟式野球」は存在しません。
よって、一般的に「野球」と言うと「硬式野球」のことを指します。
「(硬式)野球」から「準硬式野球」、「軟式野球」が誕生した経緯
明治時代に、アメリカを渡って日本に「野球」が伝わります。
「野球」は全国規模の大会の開催によって、世間一般に広く浸透しました。
当時の子供たちは硬式テニス球を代用して野球遊びをしていたようです。
大正時代に、少年たちの間で野球が流行しますが、「硬式野球ボール(硬球)」の安全性が問題となりました。
そこで、「硬球」よりも安全性が高く、手軽に取り扱えるゴム製の「軟式野球ボール(軟球)」が開発され、「軟球」の普及にともない「軟式野球」が誕生しました。
その後、「硬球に近い使用感で、かつ軟球のように手軽に取り扱えるボール」として「準硬式野球ボール」が開発され、「準硬式野球ボール」を使用した「軟式野球」は「準硬式野球」として分類されました。
よって、「準硬式野球」は広義としては「軟式野球」の一種となるようです。
「硬式野球」、「準硬式野球」、「軟式野球」の違い
「硬式野球」、「準硬式野球」、「軟式野球」は基本的に同じルールが用いられます。
よって、競技に使用するボールの種類がおもな違いになります。
「硬式野球ボール」
コルクやゴムの芯に糸を巻き付けて、それを牛革で覆い、縫い合わせたボールです。
後述する「準硬式野球ボール」や「軟式野球ボール」と比べて、球速が速く、球を打ったときの飛距離も高いとされています。
ただし、「デッドボール」(ピッチャーの投げたボールがバッターに当たること)や、バッターが打ち返した球が他者に直撃した場合、骨折や打撲などの怪我を招く危険性があります。
「硬球(こうきゅう)」、「硬式球」とも呼ばれます。
「準硬式野球ボール」
中身の構造は「硬球」と似ていますが、表面を「牛革」ではなく「ゴム」で覆っている点が「硬球」との違いです。
「硬球」と後述する「軟球」の中間にあたるボールです。
「準硬球(じゅんこうきゅう)」とも呼ばれています。
「軟式野球ボール」
ゴム製で、内部は空洞となっているボールで、ハートのマークが刻印されているのが特徴です。
「硬球」に比べて、球速も打球の飛距離も劣りますが、安全性に優れ、安価かつ手軽に取り扱える点で勝ります。
「軟球(なんきゅう)」とも呼ばれています。
まとめ
・「硬式野球」は競技に「硬球」を使用します。
・「準硬式野球」は競技に「準硬球」を使用します。
・「軟式野球」は競技に「軟球」を使用します。
「準硬式野球」と「軟式野球」は日本独自の競技であり、海外には存在しません。
よって、一般的に「野球」というと「硬式野球」のことを指します。