「観察」と「観測」と「監視」の違いとは?分かりやすく解釈

「観察」と「観測」と「監視」の違い生活・教育

この記事では、「観察」「観測」「監視」の違いを分かりやすく説明していきます。

この3語は概ね「ものを見る」という意味では共通していますが、その目的や手法に違いがありますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。

「観察」とは?

「観察」とは、物事や物質の状態や変化を注意深く詳しく見ることです。

主に自然科学の研究方法として用いられ、何らかの法則発見や種類の区別をつけるために物質や現象、それらの変化を記録し、成り立ちや変化の方向など「特徴」「把握」するために行われる行為を指します。

また、「観察」は人為的に物質や物事、現象に介入する「実験」とは異なり、自然な状態に対して行う行為です。

なお、大半は「詳しく見る」行為となりますが、音や触感、味など、視覚以外にも聴覚や触覚などの知覚を用いて対象を把握することも「観察」となります。

用例としては「ある昆虫を観察した結果、特徴的な紋様を発見できた」などです。


「観測」とは?

「観測」とは、物事や物質を「観察」し量や大きさなどを測ること、「観察」の結果から物事や物質のその後の変化を推察することです。

どちらの意味も前述の「観察」結果から派生する行為です。

前者はより正確なデータを取得するために「観察」で得られた情報から重要となる部分を見出し、機器や道具を用いて「数値化」する行為を指します。

後者は「観察」で得られた兆候や変化の様子から論理立ててその先の変化を推測する行為を指します。

用例としては「昨日、上空の空気を観測した結果、風速20メートルの風が吹いていることが分かった」「外国通貨の為替レートを観測したところ、来月の第一金曜日に大きな変動が発生すると予測している」などです。


「監視」とは?

「監視」とは、警戒して見張ることです。

監視の目的は前述の「観察」「観測」のように物事や物資、現象を理解、測定するためではなく、対象が許容できない動きを見せた際に、通報やその動きの阻止といった「対処」にあります。

用例としては「捕まえた犯人が脱走しないか常に監視している」「ウイルス監視システムからコンピュータの感染について通報がありました」などです。

「観察」と「観測」と「監視」の違い

まず、「監視」は対象について警戒し、許容外の動きがあった際の「対処」を目的にしているのに対し、「観察」「観測」は理解、把握を目的としている点が違います。

次に「観察」「観測」の違いについては、「観察」が物事や物質、現象の成り立ちや変化の方向など「特徴」「把握」するのに対し、「観測」「観察」から得た結果を「数値化」するために測定する、もしくは「観察」から得た結果を使って対象の未来を予測する、という点が違います。

まとめ

「観察」「観測」「監視」についてまとめると以下となります。

「観察」は物事や物質、現象の成り立ちや変化の方向など「特徴」「把握」することです。

「観測」「観察」によって得られた結果を「数値化」する、もしくは「観察」から得た結果を使って対象の未来を予測することです。

「監視」「対処」するために警戒し、見張ることです。