この記事では、「愛着」と「愛執」の違いを分かりやすく説明していきます。
「愛着」とは?
「愛着(あいちゃく)」とは愛情に惹かれて、大切にしたいと願い、離れたくないと思うことを言います。
また、その思いを指します。
「愛着」を使った例文をいくつかご紹介します。
『このぬいぐるみは私が幼少期の頃からずっと一緒で、とても愛着があり、今でも大切にしています』、『このカバンには愛着があり、ところどころ修理しながら、何年も使い続けています』、『部屋に飾ってあるアンティークの置物の一つ一つに、私は愛着を感じています』、『愛着のあるものに囲まれて過ごすことは、私にとって至福の時間です』、『今回のことで、改めて自分が郷里に愛着を抱いていたことを実感することができました』『このスーツは入社当時に両親から買ってもらったもので、今でも愛着があり、大切に保管しています』「愛着」と似た意味を持つ言葉としては、「愛おしさ」、「愛情」、あるいは「慈愛」などが挙げられます。
「愛執」とは?
「愛執(あいしゅう)」とは愛するものに心がとらわれてしまい、執着してしまうことを意味しています。
「愛執」を用いた例文をいくつか挙げてみます。
『彼の言動を見ていると、愛執の念が強すぎると言わざるを得ません』、『この小説は愛執がテーマでストーリーが展開しています』、『波乱万丈な彼女の愛執劇はこうして幕を閉じることとなりました』、『「愛執染着」と言う言葉は仏教用語である「愛染」の語源と言われています』「愛執」の類似語は、「愛慕」、「未練」、または「執着」などがあります。
「愛着」と「愛執」の違い
「愛着」と「愛執」の違いを、分かりやすく解説します。
「愛着」とは、愛情に惹かれて、大切にしたいと願い、離れたくないと思うことです。
一方、「愛執」は愛するものに心がとらわれてしまい、執着してしまうことを言います。
「愛着」は愛するものに心惹かれることで、その対象を大切にしたいと思う気持ちですが、「愛執」はその度を越してしまい、執着や嫉妬などのネガティブな感情になってしまう点が違っています。
「愛着」は愛する対象が優先であるのに対し、「愛執」は自分のエゴのような気持ちが強くなってしまうところも異なります。
まとめ
何ごとも度が過ぎると、危うい方向へ行ってしまいやすくなります。
愛情も「愛着」のうちは良いですが、「愛執」になると、自分自身を見失っている状態に陥ってしまいます。
これは依存とも言い換えることもできるでしょうし、自分自身を見失っている状態です。
依存状態は相手にとっては犠牲になってしまいます。
この状態はお互いにとって良好な関係とは言えないでしょう。
どんな時でも愛する対象を尊重し、大切にすることを心がけていきたいものです。
愛するものを慈しみ、大切にしていくことは、自分自身も同じように愛することにも繋がります。
自分を愛することで自己肯定感が高まり、幸福感を得やすくなるでしょう。
その深い愛を他のものへと広げていきたいものです。