「阻害」と「疎外」と「阻止」
似たような言葉ですが、それぞれ意味や使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「阻害」と「疎外」と「阻止」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「阻害(そがい)」の意味とは?
「阻害」とは、「妨げること」や「邪魔すること」を意味する言葉です。
「阻」という字は「阻(はば)む」とも書き、「さまたげる」、「へだてる」、「けわしい」などの意味を持ちます。
「害」という字にも、「そこなう」や「傷つける」、「わざわい」のほか、「さまたげる」という意味があり「阻害」は文字通り「妨げて、害する」という意味を表しています。
「阻害」を使った例文
・『喫煙は血行を阻害し、健康に悪影響を及ぼすと言われている』
・『あらゆる利権が交錯しており、健全な政治の促進を阻害している』
・『厳しい天候や足場の悪さが、捜索活動の阻害となっていた』
「疎外(そがい)」の意味とは?
「疎外」とは、主に「嫌って、除け者にすること」を意味する言葉です。
また、「人間が自ら作り出した社会関係や思想、事物などが、逆に人間を支配するような疎遠な力として出現すること」や「人間が本来あるべき自己の本質を喪失した非人間的状態」という意味も含んでいます。
哲学においては、「自己疎外」=「ある存在が本来的自己の外に自己の本質を出し、自己とは疎遠な他者となること」、「資本主義において、人間の非本来的状態」を指します。
「疎」という字は「疎(うと)む」とも書き、「きらう」などの意味を持つ漢字です。
また、「外」とという字は「外(はず)す」とも書き、「のぞく」や「とおざける」などの意味を持ち、「疎外」は文字通り、「嫌って遠ざけること」を表しています。
「疎外」を使った例文
・『はじめは疎外感を感じていたが、徐々にみんなと仲良くなっていった』
・『上司から疎外されていた彼は、人事にパワハラとして訴えることにした』
・『天才と呼ばれる人たちは、周りから理解されずに疎外を受けた経験を持つ人も多い』
「阻止(そし)」の意味とは?
「阻止」とは、「妨げること」や「阻むこと」、「食い止めること」を意味する言葉です。
「阻止」を使った例文
・『迅速な対応により、被害の拡大を阻止することに成功した』
・『一部の者が反対勢力に寝返ったことで、当初の目論みが阻止されることになった』
・『情報流出阻止のために、企業は管理体制の見直しに取り掛かった』
「阻害」と「疎外」と「阻止」の違い
「阻害」と「疎外」は共に「そがい」と読みますが、「阻害」は「妨げること」を指すのに対し、「疎外」は「遠ざけること」を指す同音異義語です。
一方、「阻止」も「阻害」と同じく「妨げること」を意味しますが、「阻止」は「食い止めること」というニュアンスで用いられることが多いのに対し、「阻害」は「邪魔すること」や「妨害すること」というニュアンスで用いられることが多いようです。
まとめ
・「阻害」とは、「妨げること」や「邪魔すること」を意味する言葉です。
・「疎外」とは、主に「嫌って、除け者にすること」を意味する言葉です。
・「阻止」とは、「妨げること」や「阻むこと」、「食い止めること」を意味する言葉です。