この記事では、「倒壊」と「崩壊」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「倒壊」と「崩壊」の違いと使い方の違い
「倒壊」と「崩壊」はともに「壊れる」という意味があり、しっかりとした意味を知らなければ非常に似ていて混同します。
「倒壊」とは、建物が倒れて壊れること、「崩壊」とは建物を問わず、様々な物が崩れ壊れる事を指し、「崩壊」は目に見えるものとは限りません。
「倒壊」の意味
「倒壊」とは、建物などが倒れて壊れる事を指します。
建物が倒れるを意味している通り、立っている状態の物が倒れて壊れるという事を指すわけです。
具体的には「電柱」「塀」「家」「鉄塔」「樹木」などが挙げられます。
コンクリートや鉄などで建てられた建物に限らず「樹木」などの自然界に存在するものに対しても「倒壊」が使用される場合があります。
「倒壊」という言葉が使われる対象は全て目に見える物になっているという点も特徴の一つです。
「倒壊」の使い方
「倒壊」は目に見えて立っている建物に対して使用されます。
例えば「電柱が倒壊した」とか「樹木が倒壊した」などです。
「倒壊」を使った例文1
「先日の台風の影響で、電柱が何本も倒壊した」
台風などの自然現象で、非常に強い力が建物に加わってしまうと、その力に建物が耐えられなくなり壊れてしまいます。
その場合「倒壊した」と使われます。
「倒壊」を使った例文2
「長年放置されていてボロボロになっていた空き家が、先日ついに倒壊してしまった」
長期間空き家として放置されている建物が近年「危険物件」として社会問題となりつつあります。
空き家を処分する人が存在しなかったり、すでに亡くなっていたりして空き家がそのまま放置され風化した結果、いつ「倒壊」してもおかしくない危険な状態で放置されてしまっている場合があります。
2-「倒壊」を使った例文3
「築30年の実家は、今日の地震で倒壊していない非常に心配だ」
建物が「倒壊」する恐れが最も高いのは巨大地震です。
巨大地震が起こると、古い建物などはその非常に強力な揺れに耐えきれなくなってしまい、「倒壊」してしまいます。
さらには、急に起こる場合がほとんどですので、家の中にいた場合は命の危険すらあるのです。
「倒壊」を使った例文4
「裏山に昔からあった大木が、カミナリの直撃を受けて倒壊してしまった」
自然界の樹木が「倒壊」する原因として、カミナリの直撃が挙げられます。
カミナリは高い所に落ちるとの通説があり、高くそびえる樹木に落ちやすいと考えられています。
「倒壊」を使った例文5
「町のシンボルだった鉄塔が、劣化のために先日撤去作業があり倒壊した」
古くなった建物を故意に壊す際にも「倒壊」は使用されます。
日本では安全に順番に撤去していきますが、諸外国ではダイナマイトなどの爆発物を使用して一気に壊す方法もあり、まさに「倒壊」したと言えます。
「倒壊」の類語や言い換え語
「倒壊」の類語や言い換え語の一部は以下になります。
「決壊」「崩れ落ちる」「崩壊」「崩潰」「倒潰」「全壊」「瓦解」などとなります。
「崩壊」の意味と使い方
「崩壊」とは、様々な物がくずれて壊れることを指します。
この様々のものは「倒壊」の例のような「立っている」ものとは限りません。
もちろん「立っている」ものに対しても使用されることはありますが、立っていないものや、目にみえないものも対象となります。
「崩壊」という単語は様々な物が崩れた事を指します。
その例として、斜面が大雨などで崩れて壊れる事を「斜面崩壊」と言ったり、最近よく耳にする医療現場が患者でいっぱいになり対応できなくなることを指す「医療崩壊」、学校などの教育が機能を果てせていない状況が継続して問題の解決が行えなくなった際に使われる「学級崩壊」など、目に見えないものについても「崩壊」は使用されます。
「崩壊」を使った例文1
・『新型コロナウィルス感染症の影響で、医療崩壊が深刻な社会問題となっている』
昨今の新型コロナウィルスの影響で、病院のひっ迫がニュースでよく耳にします。
そして病院の入院病床の圧迫などを「医療崩壊」と呼びます。
「崩壊」を使った例文2
・『我が子のクラスで集団いじめが起きてもはや学級崩壊と言える状況だ』
社会問題のひとつとなっている「学級崩壊」。
いじめや生徒の暴力などがきっかけで教育機能が崩壊してしまう事を指します。
「崩壊」を使った例文3
・『先日の大雨で斜面崩壊の危険があるため、避難勧告が出ている』
集中豪雨で雨水を大量に含んだ山の斜面は、突然崩壊し崩れる恐れがあります。
これを「斜面崩壊」と呼び、近くに住む住民は非常に危険な状況になってしまいます。
まとめ
「倒壊」とは主に目に見えて立っている物に対して使用される言葉であるのに対し「崩壊」とは目に見えるものにも使用されますが、見えないものに対しても使用される違いがあります。
どちらの言葉を使用しても基本的に意味は通じますが、その場に適した言葉を使用する事を心がけたほうがよいでしょう。