この記事では、「徘徊」と「散歩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「徘徊」とは?
行動の目的もなく、うろうろと歩きまわることです。
気分転換のためや、健康維持のためなど、何らかの目的を持って行われるものではありません。
この言葉が意味する行動は、ときに危険を伴います。
高齢者がうろうろと一人で歩き回ると、交通事故にあう危険があります。
高速道路に入ってしまったというニュースが伝えられることもあります。
また、夏場は脱水症状が心配されます。
歩いている本人は喉が渇いたという自覚をすることが少なく、脱水状態で長時間外にいることで体に危険が及びます。
さらに、高齢者の場合は転倒の危険もあります。
高齢になると骨密度が低下をし、転倒によって骨折をして寝たきりになってしまうことが珍しくありません。
また、家族は「徘徊」している人がどこに行ったのかわからず、不安になります。
この状態を防ぐためには、いくつかの方法があります。
ストレスが原因となって「徘徊」してしまうことがあるので、ストレスとなることをできるだけ減らします。
体のエネルギーが余っていると、夜中でも元気に動き回り、外に出てうろうろ歩き回る危険性が出てくるので、日中には体を動かすようにします。
体を動かして疲れれば、夜には眠りやすくなります。
そして、地域との連携も大切です。
地域の人たちに「徘徊」のことを知ってもらうことで、近所で見かけたときに声をかけてくれる、家まで送ってくれるなどをしてくれることが期待できます。
「徘徊」の使い方
目的もなく、うろうろ歩きまわる状態を指して用います。
認知症の人の行動について使うことが多いです。
「散歩」とは?
気分転換や健康維持のために家の近所をぶらぶらと歩くことです。
この行動には、気分転換や健康維持という目的があります。
スタスタと早歩きをする歩き方の場合は「ウォーキング」ともいいます。
この行動は、家の近所で行うことが一般的です。
遠くまで出かけて野山を歩くことは「ハイキング」といいます。
歩くことで、血液の巡りがよくなる、肥満の防止につながる、筋力維持に役立つなどの働きが期待できます。
「散歩」をする際には歩きやすい靴を履くことが望ましいですが、特別な道具は必要ありません。
普段の服装で行うことができます。
「散歩」の使い方
気分転換や健康維持という目的を持って、家の近所を歩くことを指して用いる言葉です。
「徘徊」と「散歩」の違い
違いは目的の有無です。
前者は目的もなく、うろうろ歩き回ることです。
しかし、目的を忘れてしまっただけで、本当は目的があったという考え方もあります。
後者には、気分転換や健康維持という目的があります。
うろうろではなく、ぶらぶら歩くことです。
「徘徊」の例文
・『徘徊を防止する』
「散歩」の例文
・『毎日散歩をする』
まとめ
歩くことという点では同じですが、目的があるのか、どのような歩き方なのかに違いがあります。