この記事では、「特記事項」と「注意事項」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「特記事項」と「注意事項」の違い
「特記事項」とは、「あえて特別に書き記すべき項目」を意味しています。
「注意事項」の表現は、「意識を集中させて守るべき項目・守ってほしい項目」を指し示している違いを挙げることができます。
「注意事項」は「特記事項」の一種として解釈可能です。
しかし、「注意事項」は「特記事項」に包摂される項目ではないという違いも考えられます。
「特記事項」というのは「書き手が特に必要だと思って補助的に付け加えた内容」ですが、「注意事項」は「読み手が製品・サービスなどを安全に利用するために、注意することが必要な内容」であるという点も異なっています。
「特記事項」と「注意事項」の使い方の違い
「特記事項」は、「特別に取り上げて伝えたい補助的な項目」を意味して使われます。
「特記事項」と比較すると「注意事項」は、「問題・危険が起こらないように神経を集中させて守るべき項目」を指示して使用されるという違いがあります。
例えば、取扱説明書で「気温が摂氏38度以上の環境ではこの製品を使用しないでください」は「注意事項」になりますが、履歴書で「学生時代の受賞歴などがあれば記載してください」は「特記事項」になるといった違いを指摘できます。
「特記事項」と「注意事項」の英語表記の違い
「特記事項」は、英語を使って表現すると以下になります。
“special report”……特別なレポート・報告書。特記事項。
“special notes”……特別な記録内容。特記事項。
“special comments”……特別なコメント・言及。特記事項。「注意事項」は、英語を用いて表記すると以下になります。
“notes”……注意事項について記録しているもの。用心すべき項目。
“caution”“cautionary point”……注意・警戒。警戒すべき重要なポイント。注意事項。
「特記事項」の意味
「特記事項(とっきじこう)」とは、「特別な意図を持って書き記している個別の事柄」を意味しています。
「特記事項」という表現は、「書き手にとって重要だと思うことを、わざわざ取り上げて伝えている個々の内容」を示しているのです。
「特記事項」には、「その書類のメイン(本題)ではない補助的・追加的な内容」といったニュアンスがあります。
「特記事項」の使い方
「特記事項」の言葉は、ビジネスシーンで使用される契約書・履歴書・レポートなどで使用されることが多くなっています。
「特記事項」という表現は、「契約書や履歴書の中心的な内容ではないが、特別に記して伝えておきたい項目」を意味して使われています。
「特記事項」は、「メインではないが補助的・追加的にあえて書き記すべき項目」を指示して使われる言葉なのです。
「特記事項」を使った例文
・『求人情報の特記事項に、「子育て中のお母さんも歓迎」との記載があったので応募してみようと思いました。』
・『企画書の特記事項として、予定通りにスケジュールを進められない場合の対応策について書いておきました。』
・『海外のいろいろな国で働いた経験と具体的な仕事内容について、履歴書の特記事項に記載しました。』
・『このサービスの特記事項として、以下に掲げられる疾患・持病がある人は利用できない旨が記されていました。』
・『訴訟リスクを回避するために、契約書の特記事項には読みきることができないほどの条件が書かれていました。』
「特記事項」の類語
「特記事項」の類語には、以下の言葉があります。
・『追記(ついき)』……元の文章に対して、後から付け足して書き記したもの。
・『補足説明(ほそくせつめい)』……本文で不足している内容を、補って付け足すための説明。
「特記事項」の対義語
「特記事項」の対義語には、以下の言葉があります。
・『本文(ほんぶん)』……文書や本において、本体のメインとなっている文章の部分。
「注意事項」の意味
「注意事項(ちゅういじこう)」とは、「注意をかたむけて気をつけるべき個別の内容」を意味しています。
「注意事項」というのは、「特に意識を集中して守るべき一つ一つの項目」を示している言葉なのです。
「注意事項」の表現には、「注意してそれを守らないと危険性や不利益が生じる恐れがある項目」といった意味のニュアンスがあります。
「注意事項」の使い方
「注意事項」の言葉は、「意識を集中させて気を付けないと、何らかの危険・問題が発生する恐れがある個別の内容」を意味して使用することができます。
「注意事項」というのは、「製品の取扱説明書・サービス利用の但し書き(ただしがき)・契約書」などにおいて使用されることの多い表現なのです。
「注意事項」を使った例文
・『先日購入したスマホの注意事項に目を通すと、防水でも30分以上の水没には耐えられないようです。』
・『注意事項を守らないことで生じた不具合については、自己負担で修理をして頂くことになります。』
・『契約書に小さな文字で長々と記載されている注意事項の全文を、まじめに読んでいる人がいるとは思えません。』
・『スパ施設の温泉内に掲示されている注意事項に納得できない客が、フロントで怒りながら苦情を申し立てていました。』
・『精密機械やコンピューターの取扱説明書に書かれている注意事項を守らなければ、購入してからすぐに故障してしまうリスクもあります。』
「注意事項」の類語
「注意事項」の類語には、以下の言葉があります。
・『注意点(ちゅういてん)』……リスク・故障・不利益などを避けるために、意識をかたむけて注意しておくべき一つ一つのポイント。
・『警告内容(けいこくないよう)』……ある特定の行為をしてはいけないと、前もって注意している内容。
「注意事項」の対義語
「注意事項」は「注意して用心していないとトラブルが発生する可能性がある個別の内容」を意味しているため、国語辞典などに記載される「注意事項」の対義語はありません。
まとめ
「特記事項」と「注意事項」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「特記事項」と「注意事項」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい場合は、この記事の内容をチェックしてみてください。