ある事柄を曖昧に示したり、詳細に示したりすることを「具象的」「具体的」「抽象的」などと言ったりします。
同じような場面で使われる三つの言葉ですが、果たして違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「具象的」と「具体的」と「抽象的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「具象的」【ぐしょうてき】とは?
「具象的」とは、実際に示したいものが、詳しく固有の形体として形が分かるという意味合いです。
形が目で見て認識できることが重要であり、どれだけ詳しく示されていても、目に見えないものは「具象的」とは言えません。
例えば、ある料理のレシピをいくら事細かに説明しても、そのレシピは形として目には見えないので、「具象的ではない」というわけです。
実際に目の前で料理して見せて、はじめて「具象的である」と言えるのです。
「具象的」の例文
・『具象的な絵画なので、何を伝えたいかがよくわかる』
・『口頭ではなく、具象的に示してほしい』
「具体的」【ぐたいてき】とは?
「具体的」とは、詳しく想像できて存在が感知できるさまを表しています。
形として目に見える見えない関係なく、事柄が詳細に示されていれば「具体的」であると言えます。
例えば、プリンのことを示そうとした時、デザートと言っただけではなかなかプリンだけを想像できません。
ですが、乳製品を使って作られたカラメルソースが美味しいデザートと言われると、プリンを想像できる人も多いのではないでしょうか。
これは、デザートとだけ言った時よりも「具体的」にプリンを示していることになるわけです。
そして、比較対象があった上で、それよりも「具体的」であるという使い方が一般的です。
「具体的」の例文
・『より詳しく示されていれば、具体的であると言えます』
・『わかりやすいように具体的に話してほしい』
「抽象的」【ちゅうしょうてき】とは?
「抽象的」とは、個々の事物に多くある性質の中から、共通しているものを抜き出すという意味合いです。
対義語は「具象的」で、そのことからも推察できる通り、形としても現れませんし、詳細に示されてもいません。
上述の例を借りると、プリンのことをデザートとだけ言うことは、プリンを「抽象的」に示したことになるわけです。
「抽象的」の例文
・『抽象的な絵画は、見れば見るほど魅力を感じる』
・『彼の説明は、抽象的過ぎてよくわからない』
「具象的」と「具体的」と「抽象的」の違い
「具象的」は、「形が目に見える」ことが重要です。
「具体的」は、「よりはっきり想像できる」という意味合いです。
ただ「具象的」と「具体的」は区別がわかりにくい面もあり、どちらもまとめて「具体的」としてしまう場面が多くあります。
「抽象的」は、「共通点を抜き出す」ことで事物を示す意味合いがあります。
まとめ
ここまで「具象的」と「具体的」と「抽象的」について説明してきましたが、「具体的」に説明できていたでしょうか。
この記事を読んで、少しでも皆さんのお役に立てていたら嬉しいです。