悪い存在や物事には色々な種類がありますが、「必要悪」と「絶対悪」の観念は議論に上がることが多くフィクションの作品でも使われます。
この記事では、「必要悪」と「絶対悪」の違いを分かりやすく説明していきます。
「必要悪」とは?
「必要悪」とは悪い物事や行為でありながらもやむを得ず必要になることを示す言葉であり、これにはメリットとデメリッの両方が存在します。
もちろん悪という言葉を使っているためデメリットの方が重大で強烈なものも多いのですが、代替不可なメリットを生むこともあるので一概にすべてが悪いと断定できないのが特徴です。
「必要悪」としてよく挙げられる例としてはギャンブルがあり、これは運が悪いとお金失い生活を破綻される可能性があります。
しかしギャンブルは公営のものならば公平性が保たれており、計画的に遊べば娯楽としても機能するので一概に悪いものだと断定できません。
また戦後に存在した闇市も値段が法外に高いことで有名でしたが、それは生きるために必要なものを販売しており命を繋いだ人も存在するので「必要悪」と言われています。
「絶対悪」とは?
「絶対悪」とは世界全体にとっての悪を示す言葉であり、誰しもが悪だと断定する存在を表す時に使います。
善と悪の問題や定義については昔から様々な議論が行われてきましたが、現代では善悪や正義については相対的なものと主張されています。
そのため完全なる悪という「絶対悪」は観念的な言葉として使われることが多く、例えや比喩、フィクションでのキャラクター描写などに用いられます。
「絶対悪」という言葉はこのようなフィクションのキャラクターを表す時に使うことが多く、これは古い神話や物語においては「絶対悪」を描くことで人々を諭したり教訓を与える役割を果たしていました。
「必要悪」と「絶対悪」の違い
「必要悪」はメリットとデメリットの両方があり、外見的には悪い物事や行為でありながらもやむを得ず必要とされるものを示す言葉です。
酒やタバコなど嗜好品はほどほどにに嗜む場合には問題ないのですが、過度に摂取すると中毒症状を引き起こすことから「必要悪」と考える説もあります。
「絶対悪」は世界中の誰もが悪と判断する存在や行為を表す言葉であり、観念的な考え方として使われます。
「必要悪」の例文
・『その王国に仕える暗殺者は嫌われていたが必要悪な存在であり、何度も危機を救ってくれたのだ』
・『タバコは健康に悪いがストレス解消してくれるので、自分にとっては必要悪ですね』
「絶対悪」の例文
・『小説のラストに登場した真犯人がまさに絶対悪の権化であり、とても恐怖を感じました』
・『大量破壊兵器を使ったあの人物は絶対悪として後世に語り継がれるだろう』
まとめ
善悪の観念は哲学者などが何度も議論してきたものとして有名ですが、その中でも「必要悪」や「絶対悪」は現代でも討論されています。
共存する悪としての「必要悪」や、完全に拒絶すべき悪としての「絶対悪」など、悪には様々なバリエーションが存在します。