この記事では、「明確」と「的確」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
明確と的確の違い
「明確」は、はっきりしていて間違いがないことです。
「的確」は、的を外さないで間違いがないことです。
どちらも間違いがない意味を持っていますが、ニュアンスは違います。
「明確」の場合は、紛らわしいものの区別がはっきりしていて間違いがない、といった意味になります。
たとえば、携帯電話の取扱説明書には、どのボタンを押せば通話できるのか記載されています。
携帯電話にはいくつものボタンがありますが、取扱説明書には通話ボタンと他のボタンの区別がつくように、はっきりと記載されています。
このように区別がはっきりしていることを「明確」といいます。
「的確」の場合は、的を外さない、つまりぴったりとあっていて間違いがない、という意味になります。
特定の状況では、この指示を出すことが正解だろうと思われることがあります。
それを間違えず、その状況にぴったりとあった指示を出すことができれば「的確」といえます。
明確と的確の使い方の違い
間違いがないことについて、区別がはっきりしていることには「明確」、的を外さずぴったりとあっていることには「的確」を使用します。
明確と的確の英語表記の違い
「明確」は英語で“clear”と表記をします。
「的確」は英語で“accurate”と表記をします。
正確にいうと“accurate”は「的確に」と訳されます。
明確の意味
「明確」とは、はっきりしていて間違いのないことです。
「明」という漢字には、ことがはっきりしているという意味があり、「確」という漢字には、はっきりしていて間違いがないという意味があります。
「明確」が意味するはっきりしているとは、物事の区別がつくことです。
たとえば、上司に「昨日のあれについての電話をしておいて」といわれても、昨日はいろいろなことがあり、「あれ」が何のことはかはっきりしないことでしょう。
「あれ」がはっきりしないので、どこに電話をしていいいのかもはっきりしません。
けれども、「昨日のAの件について、B社に電話をしておいて」といわれれば、昨日の「あれ」が意味するものがはっきりとわかり、またどこに電話をすればいいのかもはっきりします。
このように他と区別してはっきりとわかり、間違いないことについて「明確」といいます。
明確の使い方
他との区別を論理的に説明できるようなことに使用をします。
法律には、どのような行為が犯罪にあたるのか、はっきりと記載されています。
曖昧な表現は使用されていません。
このことは論理的に説明できます。
こういったことに「明確」という言葉を使用します。
明確を使った例文
・『取扱説明書に明確に記載されている』
・『権利を明確にする』
・『A氏とB氏の立場の違いは明確だ』
・『明確に伝える』
・『明確にするための調査を行う』
明確の類語
・『正確」「的確』
が類語です。
「正確」には、数値などの誤差がほとんどなくぴったりとあっているという意味があります。
明確の対義語
対義語は「不明瞭」です。
はっきりせず、あいまいなことを意味します。
「明瞭」には、はっきりしているという意味があり、「不」には打ち消す意味があります。
的確の意味
「的確」とは、的を外さず、間違いのないことです。
「的」という漢字には、まとにあたるような確かさの意味があります。
アーチェリーの的は、中心部分に近づくほど点数が高くなります。
高得点を狙うには、中心付近にぴったりと当てなければなりません。
的を外さずとは、ぴったりとということができます。
つまり、「的確」はぴったりとあてはまり、間違いがないことという意味になります。
的確の使い方
ぴったりとあてはまり、間違いがないことに使用をします。
「意図を的確に伝える」といった使い方をし、この場合、伝える側が伝えたいことと、受け取る側が伝え受けたものがぴったりとあっていて、双方で間違いがないことの意味になります。
「A」といったのに「A´」と受け取られてしまっては、ぴったりとあっているとはいえません。
「A」といったら「A」と受け取る、これがぴったりとあっていることであり、こういった間違いのないことに「的確」という言葉が使用されます。
的確を使った例文
・『意図したことが的確に伝わらなかったようだ』
・『的確な指示を受ける』
・『的確なアドバイスができるように努める』
・『相手の欲求を的確に判断する』
・『質問に対して的確なアドバイスをもらった』
的確の類語
「正確」「明確」が類語です。
的確の対義語
「的外れ」が対義語です。
見当はずれという意味があります。
まとめ
どちらの言葉にも、間違いがないという意味がありますが、「明確」ははっきりしていて間違いがないこと、「的確」は的を外さず間違いがないことという違いがあります。