歴史ドラマや小説で使われる言葉の中に「名将」と「知将」と「武将」というものがよく出てきますが、これらの意味をご存知でしょうか?
現代社会の中で日常的にあまり使うことはありませんが、知っておくと会話の幅も出てくることと思います。
そこでこの記事では、「名将」と「知将」と「武将」の違いを分かりやすく説明していきます。
「名将」とは?
「名将」は「めいしょう」という読み方になりますが、「優れた武将」「名高い武将」という意味を持っている言葉です。
「名将」の「名」には「名立たる」や「有名な」という意味合いがあり、「将」は「将軍」のことであり、 「名将」は「優れた武将・将軍」のことを指しているのです。
「名将」の例文
「名将」の例文を見ていくことにしましょう。
・『名将を三顧の礼で迎えた』
・『上杉謙信は義を重んじた名将である』
「優れた武将」という解釈をすると、上杉謙信などは「名将」と呼ぶに相応しい人物と言えるでしょう。
「知将」とは?
「ちしょう」という読み方になる「知将」は「知恵があって作戦の立案・実行が上手な将軍」「巧みな戦術を得意とする武将」という意味を持ち、「智将」という書き方をする場合もあります。
「知将」の例文
・『信長は兵法を熟知した知将』
・『石田三成は知将であった人望はなかった』
「知将」の代表的な武将としては、石田三成が有名ではないでしょうか?
天下分け目の戦いで徳川家康と雌雄を決したのですが、人望がなかったばかりに敗退した武将でもあったのです。
「武将」とは
「ぶしょう」と読む「武将」は「武士のトップに立つ将軍」や「武芸の達人である将」という意味を持っています。
「武将」の例文
・『戦国武将として有名な人物』
・『歴史上で有名な武将と言えば徳川家康』
「武将」と言えば、大河ドラマで当り前のように使われていますが、徳川家康は誰もが知る有名な「武将」です。
「名将」と「知将」と「武将」の違い
では、ここで「名将」と「知将」と「武将」の違いを整理してみることにします。
「名将」は「名高い大将や将軍のこと」であり、「歴史の名を残してきた武将」と言ってもいいでしょう。
言い換えると「誰でも知っている武将」です。
「知将」は「知恵のある大将のこと」で「色々な策略を張り巡らすことが得意な大将」を指していますが、必ずしも「名将」とは言い難い人物もいます。
「武将」は「武士の大将のこと」であり、徳川家康などの武士の最高権力者だけでなく、地域(藩)を束ねる藩主も「武将」と言うことができるでしょう。
まとめ
「名将」「知将」「武将」の意味や違いを説明してきましたが、それぞれの言葉は異なる意味を持っています。
これらの言葉が普段の会話で用いることは、そんなに多くはありませんが、歴史を紐解く時には参考になるかと思います。
時には「知将」は現代の色々な場面で使われることも多少はあるかもしれませんが、さらに歴史にまつわる言葉を知ると、より昔の出来事に関心が深まることでしょう。