「無礼」と「失礼」と「非礼」
いずれも同義語に感じますが、何か違いはあるのでしょうか?
この記事では、「無礼」と「失礼」と「非礼」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「無礼(ぶれい)」の意味とは?
「無礼」とは、「礼儀に背くこと、またそのさま」を意味する言葉です。
古くは「ぶらい」や「むらい」とも読まれていました。
「無礼」を用いた四字熟語
後述する「失礼」や「非礼」を用いた四字熟語はありませんが、「無礼」を用いた四字熟語いくつかあります。
・「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」・・・「言葉や態度などが過度に丁寧であることが、逆に無礼であるさま」、「丁寧すぎて、かえって嫌味に感じられるさま」、「表面上では礼儀を持って接しているが、内心相手を見下しているさま」を意味します。
「慇懃(いんぎん)」は「礼儀正しいこと」を意味する言葉です。
・「傲慢無礼(ごうまんぶれい)」・・・「相手を侮り、おごりたかぶった無礼な態度をとること」を意味します。
「傲慢(ごうまん)」は「おごり高ぶり、相手を侮ること」を意味する言葉です。
・「傲岸無礼(ごうがんぶれい)」・・・「威張っていて、相手を見下し、へりくだる気持ちがないこと」を意味する言葉です。
「傲岸不遜(ごうがんふそん)」と同じ意味です。
「傲岸(ごうがん)」は「おごり高ぶり、威張っていること」を意味する言葉です。
「無礼」を使った例文
・『普段は温厚なあの人も、あまりに無礼な振る舞いに憤っていた』
・『この度は、挨拶が遅くなってしまい、ご無礼をどうかお許しください』
・『無礼者は即刻捕えて、処罰せよ』
「失礼(しつれい)」の意味とは?
「失礼」とは、「相手に接する際の礼儀をわきまえていないこと」、「礼儀に欠くこと、そのさま」を意味する言葉です。
また、相手に何か尋ねるときや頼み事をするときの前置きの言葉として、相手の元を立ち去る際の丁寧な挨拶としても「失礼」が用いられています。
「失礼」を使った例文
・『あの人は相手を気遣うこともできず、全く失礼なやつだ』
・(去り際の挨拶として)『約束があるので、そろそろ失礼させていただきます』
・(前置きの言葉として)『失礼ですが、お仕事は何をされているのですか?』
「非礼(ひれい)」の意味とは?
「非礼」とは、「礼儀に外れること、そのさま」を意味する言葉です。
「非礼」を使った例文
・『今になって反省することが多く、これまでの非礼を詫びたいと思っている』
・『非礼な言葉になっていたにもかかわらず、上司は話を聞いてくれていた』
・『非礼この上ないことと、謹んでお詫び申し上げます』
まとめ
・「無礼」とは、「礼儀に背くこと」や「礼儀に背いているさま」を意味する言葉です。
・「失礼」とは、「礼儀に欠くこと、そのさま」を意味する言葉ですが、前置きの言葉や、去り際の丁寧な挨拶としても用いられています。
・「非礼」とは、「礼儀に外れること、そのさま」を意味する言葉です。
同じ意味の言葉ですが、「失礼」<「無礼<「非礼」の順に言葉の重みが増すようです。