この記事では、「容易」と「簡単」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「容易」と「簡単」の違い
同じような意味として用いられている「容易」と「簡単」。
非常に似たような意味を持ち、しいて言えば、「簡単」の方が馴染みのある言葉だという程度に考えられている人も多いともいます。
しかし、この「容易」と「簡単」には、実は意味の違いが存在するのです。
それは、何を表現しているのかという違いです。
「容易」の場合、表現している対象は手順となり、「簡単」の場合は、構造となります。
「容易」は、ものごとに対し、手間がかからない、時間がかからない、といったように、その手順を表す意味となります。
それに対し、「簡単」は、ものごとが単純なものとなり、理解することも操作することもスムーズに行うことができるといった意味となります。
このように、何を表現しているのかによって意味が異なる「容易」と「簡単」。
そのため、的確な使い分けが必要な言葉と言えるのです。
そんな、「容易」と「簡単」について、より詳しくご説明させて頂きます。
「容易」と「簡単」の使い方の違い
「容易」と「簡単」の使い方を比較した場合、「簡単」の方が日常的に使用される言葉となります。
そして、「容易」は、少しかしこまった、難しい言葉として用いられることが多くなります。
そのため、「容易」という言葉をそう使ったことがないという人も少なくありません。
そのため、使い方の違いとして、ニュースや新聞など正式な文章などに使用するのが「容易」。
日常会話で使用されるのが「簡単」といった覚え方でも、基本的に問題はありませんが、的確に使い分けるには、やはり、なにを表す意味なのか考え使い分けが必要です。
例えば、「容易」の場合、手間がかからない、時間がかからないといった意味となるため、「ネット通販のお陰で、地方でも買い物が容易になった」といったように使用することができます。
この場合も「簡単になった」と置き換えることは可能ですが、ネット一つで手間をかけず買い物を行うことができるようになった。
地方から都会に行くことなく、買い物ができるようになった。
といった意味として、「容易」が適した言葉となります。
一方、「簡単」の場合、「簡単に説明すると…」といったようにスムーズに理解することができるといった意味の際に用いる事ができます。
「容易」と「簡単」の英語表記の違い
「容易」の英語表記は、readily、ease、facilityです。
「容易ならぬ事態」は、a grave situation 「容易に読める」は、be easy 《for a young child》 to read 「容易な仕事」は、a jammy job、an easy taskとなります。
「簡単」の英語表記は、easy、easy、easy、uncomplicated、unproblematic、elementary、simple、plain、unvarnished、gentleです。
「簡単に言えば」は、to put it simply、【形式ばった表現】 in brief、to be brief、simply put 「簡単な料理」は、Simple dish 「簡単な仕事」は、a simple taskとなります。
「容易」の意味
やさしい、たやすい、といった意味を持つ「容易」。
そして、なにかものごとに対し、手間がかからない、時間がかからない、といった意味があります。
「容易」の使い方
やさしい、たやすい、といった意味の中でも、手間がかからない、時間がかからない、難しくないといった意味を踏まえた使い方が正しい使い方となる「容易」。
使い方としては、これらの点を考える必要があります。
時間がかからず考えることができるという場合は、「容易に想像することができる、考えることができる」と使用します。
また、子育てには時間も手間もかかり難しいことが多いといった意味の場合は、「子育ては決して、容易なものではない」といったように使用します。
「容易」を使った例文
・『先生は、「容易に解ける問題だ」というが、私によっては、決して容易な問題ではない。』
・『ネット通販のお陰で、今はやりの商品を地方住まいの私でも容易に購入することができるようになりました。』
・『双子の子育ては、容易なものではなかった。』
・『あなたの考えは、容易に想像することができます。』
「容易」の類語
困難がない、困難を示さないといった意味の「容易」の類語として、簡便、他愛もない、お安い、たあいない、手軽い、易しい、安易、単簡、簡易、簡単、軽い、やすやす、易易、易々などがあります。
「容易」の対義語
「容易」の対義語は、「難解」と「困難」です。
「難解」、「困難」ともに難しい、厳しいといった意味があります。
「簡単」の意味
単純、おおざっぱ、といった意味を持つ「簡単」。
そして、ものごとに対し、理解することも操作することもスムーズに行うことができるといった意味があります。
「簡単」の使い方
単純、おおざっぱ、といった意味に加え、ものごとに対し、理解することも操作することもスムーズに行うことができるといった意味を踏まえた使い方が正しい使い方となる「簡単」。
使い方としては、これらの点を考える必要があります。
大人が小学生の問題を解く場合、「小学生の問題なので簡単です」といったように理解することができるといった意味で使用することができます。
また、「簡単レシピ」とは、単純で理解しやすく、作りやすいレシピという意味になります。
「簡単」を使った例文
・『この問題を簡単に説明すると…。』
・『今日は忙しかったので、ネットで簡単レシピを検索し、今夜の夕食を作ることにしました。』
・『時間がないので、簡単に掃除を済ませ出勤しることにした。』
・『一人の昼食は、いつも、簡単なもので済ませてしまう。』
「簡単」の類語
困難ではないといった意味の「簡単」の類語は、簡便、他愛もない、お安い、たあいない、手軽い、易しい、たわいない、安易など。
複雑ではないといった意味としては、シンプル、易しい、わかりやすい、易い、単純などがあります。
「簡単」の対義語
「簡単」の対義語は、「複雑」です。
「複雑」には、ものごとなどが込み入っている、入り組んでいるといった意味があります。
まとめ
以上が「容易」と「簡単」の違いです。
日常的に使用されることが多い「簡単」と少しかしこまったニュアンスを持つ「容易」ですが、両者の違いは、それだけではなく明確な使い方の違いがあるということが言えます。