日本は法治国家であることは誰でも知っていることです。
誰でも法の下では平等であり、法に従った行動をしなくはなりません。
逆に言うと、法に守られていると言ってもいいでしょう。
その法の中で「服役」「懲役」「実刑」という用語があります。
この記事では「服役」と「懲役」と「実刑」の違いを分かりやすく説明していきます。
「服役」とは?
「服役」は「ふくえき」という読み方をしますが、「懲役・兵役・夫役などに服する」、あるいは「懲役などの義務をこなすこと」という意味を持つ用語です。
「服役」の例文
・『彼は有罪判決を受けて服役中だ』
・『服役中の彼には面会することができない』
服役は刑務所内で懲役をこなす」という意味から上記のような例文で見ることができます。
「懲役」とは?
「ちょうえき」と読む「懲役」とは、「罪人を刑務所内に拘置して労役に服させること」を言っています。
日本における刑罰は刑法第9条で定められており、「主刑」と呼ばれる「死刑」「懲役」「禁錮」「罰金」「拘留」「科料」が挙げられます。
また、これらの刑罰に加えて「付加刑」として「没収」も定められているのです。
「懲役」の例文
「懲役」の例文は次の通りです。
・『無期懲役』
・『懲役15年の判決』
「実刑」とは
「じっけい」という読み方になる「実刑」は「執行猶予にならず実際にうける体刑」「執行猶予が付かずに刑務所に実際に収容される懲役刑・禁固刑のこと」を指しています。
しかし、懲役刑・禁固刑になっても執行猶予が付く場合はすぐに刑務所に収容されません。
この執行猶予期間中に他の事件を起こすことがなければ、執行猶予期間を終えて刑務所に行くことはないのです。
その一方で行猶予が付かない判決が裁判で下ると、直ちに刑務所に収容されて服役することになります。
この時の判決が「実刑判決」と呼ばれているわけです。
「実刑」の例文
・『実刑判決を受けた被告は直ちに控訴した』
・『彼は実刑判決を受けた』
「服役」と「懲役」と「実刑」の違い
ここで「服役」「懲役」「実刑」の違いを整理してみましょう。
「懲役」は「罪を犯した人を刑務所内に拘置して労役に服させる」という意味を持っていました。
これに対して「服役」は「懲役などの義務をこなす」という意味です。
このことから「懲役刑になった人が実際にその刑に服する状況」が「服役」となるので、「服役」は「懲役を実行している」という解釈することになると言ってもいいでしょう。
「実刑」は前述の通り「執行猶予にならずに実際に受ける刑務所に実際に収容される懲役刑や禁固刑」を言っていますので、「服役」「懲役」とは異なる理解になります。
まとめ
これまで「服役」「懲役」「実刑」の意味や解釈の違いを説明してきました。
これらの言葉は普段の生活の中で使うことはあまりないと思いますが、インターネットなどでもさまざまな犯罪についての報道がなされる場合に目にする言葉です。
そのために、これらの意味を知っておくと報道内容の理解も深まると思います。