この記事では、「侵入」と「進入」の違いを分かりやすく説明していきます。
「侵入」と「進入」の違い
「侵入」と「進入」の違いについて紹介します。
「侵入」と「進入」の使い方の違い
「侵入」は「生き物が他の領域に許可なく入り込むこと」に使われます。
人や動物、植物などが、入るべきではない場所に強引に入ることを言います。
「進入」は「人や車などがある場所に進み入ること」に使われます。
本来入るべき場所、入って良い場所に入ることを言います。
「侵入」と「進入」の英語表記の違い
「侵入」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「trepass」で「侵害する」「侵入する」という意味です。
“She trepassed upon my garden.”
(彼女は私の庭に侵入してきた)
2つ目は「break into」で、「(ドアや窓などを)壊して強引に侵入する」というニュアンスです。
“A burglar broke into my apartment.”
(強盗が私の家に侵入した)
「進入」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「enter」で、「進入する」「乗り込む」という意味です。
“My car entered into a parking.”
(私の車は駐車場に進入した)
2つ目は「go into」で「入る」「進入する」というカジュアルな表現です。
“The bus went into a tunnel.”
(バスはトンネルに進入した)
「侵入」の意味
「侵入」は「しんにゅう」と読みます。
意味は「他の領域に許可なく強引に入り込むこと」です。
本来入ってはいけない場所、または入るのに許可が必要な場所に、強制的に入ってしまうことを言います。
「侵」は「おかす」と読み、「奪い取る」「不当に入り込む」という意味、「侵入」で「他人に権利のある土地に不当に入り込むこと」になります。
泥棒や害獣などに使われることが多く、してはいけないことをするというネガティブな意味の言葉です。
「侵入」の使い方
「侵入」は、「他人の領域に不法に、強引に入り込むこと」に使われます。
「侵入する・した」「侵入される・された」と助動詞を伴って使われたり、副詞として「侵入して」と使われたりします。
また、他の言葉と組み合わせて「進入禁止」「不法侵入」など複合語として使われることもあります。
「侵入」は「勝手に入ること」であり、人や動物、植物など生き物がすることに対して使われる言葉です。
「侵入」を使った例文
・『他国の船が日本の領海に侵入して緊張が走った』
・『泥棒が自宅に侵入して貴金属を全て盗んでいった』
・『休日に学校に侵入して試験問題を盗もうとした生徒がいる』
・『このマンションは侵入者に対するセキュリティがしっかりしている』
・『このゴキブリは一体どこから侵入したのか』
「侵入」の類語
・「侵略(しんりゃく)」
「他国に攻め入って土地や財産を奪うこと」「武力により他国を支配すること」という意味です。
・「押し掛ける(おしかける)」
「招かれていないのに無理矢理訪ねていくこと」という意味です。
「侵入」の対義語
・「退去(たいきょ)」
「今いる場所から立ち去ること」という意味です。
「進入」の意味
「進入」は「しんにゅう」と読みます。
意味は「人や乗物などが、進んで行ってある場所に入ること」です。
前へ移動しながら、入っても良い場所、許可された場所に入ることを言います。
自らの意思、または人が操作する乗物で前に進んでいくものが対象になり、この場所に入ることで迷惑がかかったり、違法行為に当たることはありません。
「進入」の使い方
「進入」は、「人や乗物などが進んである場所に入ること」に使われます。
「進入する・した」と助動詞を伴って使われたり、副詞として「進入して」と使われたりします。
「進入」は、基本的に目的地など必要があって入ることを表し、「侵入」とは違い「本来入ってはいけない場所に強引に入る」という意味はありません。
その為に「進入される・された」と受動態で使われることはないのです。
ただし入ってはいけない場所に間違って「進入」する場合は別になります。
「進入」を使った例文
・『車が交差点に進入した時に信号が黄色になった』
・『新幹線がホームに進入してきた』
・『ここから先は関係者以外進入禁止になっている』
・『大型トラック用の進入口が別にある』
・『飛行機が滑走路に進入してくる』
「進入」の類語
・「立ち入る(たちいる)」
「ある場所の中に入ること」という意味です。
・「踏み入れる(ふみいれる)」
「一歩進んである場所の中に入ること」という意味です。
「進入」の対義語
・「退出(たいしゅつ)」「今までいた場所から後方へ下がって出ること」という意味です。
まとめ
今回は「侵入」と「進入」について紹介しました。
「侵入」は「強引に入る」、「進入」は「しかるべき場所に入る」と覚えておきましょう。