「一事が万事」と「一を以て万を知る」の違いとは?分かりやすく解釈

「一事が万事」と「一を以て万を知る」の違い生活・教育

この記事では、「一事が万事」「一を以て万を知る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「一事が万事」とは?

「一事が万事」「いちじがばんじ」と読み、意味は以下の通りです。

1つ目は「わずか一つのものごとから、他の全てのことを推し量れる」という意味で、ほんの小さなものごとから、他のことが全部推察できるということでその人の洞察力が鋭いことを表します。

2つ目は「一つの小さな事柄が、他の全ての事柄に反映されている」という意味で、ある小さな特徴が、他の全てのものごとに共通している様子のことです。

3つ目は「悪い事柄が一つあれば、他も全て同じように悪いはずであると予想できること」という意味で、一つ悪いことがあれば、他も全て悪いと想像できることです。

上記に共通するのは「一つのことが全てのことにつながる」という意味です。

「一事」とは「ひとつのこと」「万事」は実際に一万という数値ではなく「全てのこと」という意味です。


「一事が万事」の使い方

「一事が万事」はことわざ・慣用句として使われ、「一事が万事だ・である」「一事が万事の状態」などと使われます。

基本的に、小さな一つのものごとから、他の全てが推し量れる様子や、一つ悪いことがあれば、他も全て悪いと想像できることに使われる言葉です。


「一を以て万を知る」とは?

「一を以て万を知る」「いちをもってばんをしる」と読み、意味は以下の通りです。

1つ目は「一つのことから多くのことを理解すること」という意味で、非常に頭の回転が早く、一つ聞いただけで細かく聞かなくても全てを察することです。

2つ目は上記から転じて「非常に頭の良いことのたとえ」という意味で、聡明で飲み込みが早い人のことです。

上記に共通するのは「理解が速い」という意味です。

「一を以て万を知る」「荀子」非相篇にある「以一知萬(いいつちばん)」という一節に由来しています。

「一を以て万を知る」の使い方

「一を以て万を知る」はことわざ・慣用句として使われます。

基本的に、一つのことから全て理解することや、非常に頭の良い人のたとえとして使われる言葉です。

類語として「一を聞いて十を知る」があります。

「一事が万事」と「一を以て万を知る」の違い

「一事が万事」「小さな一つのものごとから他の全てが推し量れる様子」一つ悪いことがあれば、他も全て悪いと想像できる」という意味です。

「一を以て万を知る」「一つのことから全て理解すること」「非常に頭の良い人のたとえ」という意味です。

「一事が万事」の例文

・『彼は一事が万事で時間を守らない』
・『服装の乱れは一事が万事でだらしなさにつながる』
・『一事が万事でやっぱり彼女がミスをした』
・『顧客への対応は一事が万事だと思って欲しい』

「一を以て万を知る」の例文

・『彼は一を以て万を知るタイプで教えるのが楽だ』
・『上司が一を以て万を知る人で相談し易い』
・『取引先の担当者が一を以て万を知る人なので話が早い』
・『一を以て万を知る弟子になりたい』

まとめ

今回は「一事が万事」「一を以て万を知る」について紹介しました。

「一事が万事」「一つのことが全部につながる」「一を以て万を知る」「一つのことから全部理解する」と覚えておきましょう。