「一生涯」と「生涯」はどちらも「生きている期間」を示す言葉ですが、詳細な意味合いが異なるため使い分けが必要な場合があります。
この記事では、「一生涯」と「生涯」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一生涯」とは?
「一生涯」は「いっしょうがい」と読む言葉で、「誕生してから亡くなるまでの間」や「生存している期間」、「一生」といった意味を持ちます。
また、後述する「生涯」の意味を強調する言葉として使われる場合もあるようです。
「生涯」とは?
「生涯」は「しょうがい」と読む言葉で、「生存している間」や「終生」、「一生」という意味があります。
そのほか「人生における特定の時期」や「一生の間で特定の物事に関与した期間」といった意味や、「いのち」、「生命」といった意味も持ち合わせています。
「一生涯」と「生涯」の違い
「一生涯」と「生涯」は読み方や表記が似ていますが、それぞれが持つ細かな意味合いに違いがあります。
「一生涯」は、「一生」や「生きている期間」を示す「生涯」に「ひとつ」や「ひとたび」を示す「一」が冠されていることから、「生涯」の意味をさらに強める役割があると考えられています。
一方、「生涯」は「一生」や「生存している間」という意味のほか、「一生のうちの特定の期間」や「特定の物事に関係していた時期」などを意味する言葉として使用されています。
「一生涯」の例文
「一生涯」は「生涯」とほとんど同じ意味を含みますが、「生涯」が持つ意味を強調する言葉ともいわれています。
使い方の例としては、「一生涯~する」や「一生涯かかる」、「一生涯の~」などがあります。
・『彼は一生涯彼女を守ることを約束した』
・『その数式は難解過ぎて一生涯かかっても解くことは不可能だろう』
・『弊社の経営理念は、一生涯のパートナーとして常にお客様に寄り添うことである』
・『終身型の死亡保険は一生涯補償が継続する保険のことである』
「生涯」の例文
「生涯」は「生存している間」や「一生」のほか、「一生のうちの特定の期間」あるいは「特定の物事に関与していた時期」などを表現する際に用いられています。
「~の生涯」や「生涯を終える」といった用法のほか、「生涯覚えている」など副詞的に使われるケースもあります。
また、「生涯で学ぶあらゆる学習のこと」を示す「生涯学習」という言葉も有名です。
・『音楽史に興味を持ったので、音楽の父と呼ばれているバッハの生涯についてリサーチした』
・『彼女は病気によって舞踊家としての生涯を終えた』
・『彼が何気なく呟いた一言がとても深かったので、生涯覚えておきたいと思った』
・『子育てが一段落したので生涯学習センターで習い事をしようと考えている』
まとめ
「一生涯」と「生涯」は、「生涯」に「一」が加わるか加わらないかの違いだけでなく、意味合いにも細かな相違点があると考えられています。
ぜひ参考にして両者の意味や用法を学び、状況に応じて使い分けてみてください。