勤めている会社の慰安旅行や社員旅行に参加したことがあるという人も多いのではないでしょうか。
どちらも会社が主催する旅行ですが、慰安旅行と社員旅行には違いがあります。
慰安旅行とは?
慰安旅行は、会社が従業員をねぎらうために主催する旅行のことをいいます。
慰安旅行の「慰安」には、心を慰めるとか労をねぎらうといった意味があります。
福利厚生の一環として、高度成長期に盛んに行われるようになりました。
慰安旅行は、宴席や宿泊を伴うことが多いです。
大企業だけに限らず、中小企業などでも普通に行われていました。
しかし、近年は働き方や価値観の多様化などもあり、実施する会社は一昔前に比べると少なくなっています。
ただし、福利厚生を充実させたいとの思いから新たに慰安旅行を導入する会社もあります。
社員旅行とは?
社員旅行は、従業員のスキルアップやコミュニケーションの活性化、視察など何か目的があって主催される旅行のことをいいます。
業務に必要な研修などが行われる場合もあります。
最近ではインターネットや社内システムが整備された結果、直接顔を合わせなくても業務が完結することが多くなりました。
メールやチャット等で気軽に連絡を取り合うこともできますし、オンライン会議なども普及しています。
リモートワークも進み、会社に出社すること自体減ったという会社もあります。
業務が効率化して良いと思われがちですが、それがコミュニケーション不足につながり会社全体のパフォーマンスの低下を招いていることもあります。
社員旅行を行うことで、従業員同士のコミュニケーションが深まることも多いのです。
慰安旅行と社員旅行の違い
慰安旅行と社員旅行はどちらも会社が主催するものですが、その目的と経費上の扱い方に違いがあります。
慰安旅行は従業員の労をねぎらうことが目的で、社員旅行は業務に関する何らかの目的があります。
また、慰安旅行であれば福利厚生費として計上することができます。
慰安旅行の方が、社員旅行よりも会社としては節税になるのです。
ただし、慰安旅行にするにはいくつか条件があります。
まず、参加者が全社員の50%以上でなければなりません。
その場合、契約社員やパート、アルバイトなどは比率に含めなくても大丈夫です。
それから旅行の期間が4泊5日であることも条件の1つになっています。
海外旅行の場合には、移動するための日数は含まれません。
また、旅行費用のうち会社の負担金が少額であることとされています。
少額といっても一人当たり10万円程なので、高級旅館に宿泊したり遠方に海外旅行に行く場合でなければ大体が該当します。
節税につながるので、研修などがある社員旅行の場合でも宴席を設けたりして慰安旅行にすることが多いです。
まとめ
慰安旅行と社員旅行は、主催する目的が異なります。
それから経費上の違いもあり、慰安旅行であれば福利厚生費として計上することができます。