「ひょう」と「あられ」と「みぞれ」
どれも同じような言葉に感じますが、何か違いはあるのでしょうか?
この記事では、「ひょう」と「あられ」と「みぞれ」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「ひょう」とは?
「ひょう」とは、「直径5ミリ以上の氷の粒」を指し、漢字では「雹」と記します。
英語では“hail”と訳されます。
「ひょう」は、雲の水蒸気が凍って氷の粒となる→地上へ落下しようとする→風に吹き上げられ、雲の上層へ戻される→雲の上層で再び凍りつく→また落下しようとする→・・・
という一連の流れを積乱雲の中でを繰り返しながら大きくなっていき、一定の重さに達すると落下します。
「ひょう」は春の5月、6月や秋の10月に降ることが多いとされています。
これは春・夏・秋が地表と上空の気温差が大きく、積乱雲が発生しやすいためです。
夏場は「ひょう」となる前に気温で溶けてしまったり、雲が氷の粒ではなく、水の粒となっているため、雨として降るケースが多いようです。
冬場はそもそも積乱雲が発生しにくいため、「ひょう」が降ることも少なくなります。
「ひょう」の大きさは様々であり、場合によってはゴルフボールや野球ボールほどの大きさとなって降ってくることもあり、直撃した場合、大ケガをする恐れがあります。
また、「ひょう」によって農作物や、ビニールハウスが被害を被ることを「ひょう害」と呼びます。
「あられ」とは?
「あられ」とは、「直径5ミリ未満の氷の粒」を指し、漢字では「霰」と記します。
英語では、「ひょう」と同じく“hail”と訳されます。
「あられ」の場合、降ったときの状態によって「雪あられ」か「氷あられ」に区分されます。
「雪あられ」は柔らかく、白色で、おもに冬にかけて雪と一緒に降ることが多いです。
「氷あられ」はやや硬めで、半透明の色をしており、「ひょう」と同じく春や秋にかけて降ることが多いようです。
天気予報では、「雪あられ」は「雪」、「氷あられ」は「雨」として扱われています。
「みぞれ」とは?
「みぞれ」とは、「雪と雨が同時に降る現象」や「雪と雨が混ざった状態」を指し、漢字では「霙」と記されます。
「みぞれ」は、「雪から雨」、または「雨から雪」に変わるときに見られます。
英語では“sleet”と訳されます。
「ひょう」と「あられ」が氷の粒であることに対して、「みぞれ」には氷の粒ではなく、雪の結晶が含まれています。
天気予報では「雪または雨」、もしくは「雨または雪」として扱われます。
また、気象上では「雪」として扱われるため、冬に初めて「みぞれ」が降った場合でも「初雪」として扱われます。
まとめ
・「ひょう」とは、「直径5ミリ以上の氷の粒」を指します。
・「あられ」とは、「直径5ミリ未満の氷の粒」を指します。
・「みぞれ」とは、「雪と雨が同時に降る現象」や「雪と雨が混ざった状態」を指します。
「ひょう」と「あられ」は氷の粒の大きさによって区分されます。