困窮と貧困には、どちらも「困」という漢字が使われています。
意味もよく似ていますが、2つの言葉にはどのような違いがあるのかを紹介します。
困窮とは?
困窮とは、解決策を見出すことができずに困り果ててしまうことをいいます。
また、貧しくて生活が苦しいことという意味もあります。
困窮の「困」は「こま(る)」という漢字で、「ものがなくて苦しむ」とか「どうしてよいか分からずに苦しむ」といった意味で使われています。
「窮」は「きゅう(する)」という漢字で、「困りきる」とか「身動きできずに追い詰められる」「貧しくて苦しむ」といった意味を持ちます。
苦しみの程度が強いことを表しています。
また、困窮は日常会話などでも使われるよく知られた言葉です。
困窮の例文
『仕事を失い生活に困窮していることを家族に知られたくない』
『ここは生活困窮者をサポートするための施設です』
『困窮のあまり、危ない儲け話に手を出してしまった』
『学費が払えず困窮しているので、来月には退学するしかないだろう』
『財政的に困窮するのは目に見えている』
『長引く不況で、困窮する世帯は今後もますます増えそうだ』
貧困とは?
貧困とは、貧しくて生活が苦しいことをいいます。
また、内容に乏しいことやその様子を貧困ということもあります。
例えば「想像力が貧困」といった使い方もしますが、これは貧しいわけではなく内容が乏しいことを指しています。
お金や物だけではなく、知識やイマジネーションが足りない時にも使われます。
貧困は世界で問題になっていますが、その基準は一律ではありません。
国や地域によって異なります。
日本のような先進国でも、貧困の問題は存在します。
その国や地域の水準と比較して貧しいことを相対的貧困といい、メディアなどで取り上げられることもあります。
貧困の例文
『一度貧困に陥ると、そこから抜け出すのは簡単ではない』
『貧困は個人の問題ではなく、社会全体で解決する必要がある』
『貧困家庭に育ったため、マナーや礼儀を身に付ける機会がなかったので恥ずかしい』
『すでに貧困に陥っていることに気付いていない』
『貧困問題解決のために活動している団体に寄付をしたいと思う』
『貧困層にある子どもは進学率が低いので何とかしたい』
困窮と貧困の違い
困窮と貧困は、どちらも貧しくて困っていることをいいます。
困窮には追い詰められている状態を表す「窮」という漢字が使われているので、貧困よりも困っていたり苦しんでいる度合いは強いです。
苦しみがこの上なく大きいことを表しています。
それに対して貧困の方は、困っているという意味もありますが貧しいというニュアンスの方が強く出ています。
困窮と貧困を比較すると、より困っているのは困窮の方です。
まとめ
困窮と貧困では、困っている度合いに違いがあります。
困窮の方が貧困よりも困っています。
貧困には困っているという意味もありますが、貧しいというニュアンスの方が強い言葉です。