うそいつわりのないこと、本当のことなどの意味を持つ「真」を使った言葉はたくさんありますが、ここで取り上げるのは「真実」「真相」「真理」の三つの言葉。
この記事では、「真実」と「真相」と「真理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「真実」【じんしつ】とは?
「真実」とは、うそいつわりではない本当のことという意味です。
例えばある人が犯罪を犯したことを疑われていたとして、実際は犯罪を犯していなかったとします。
この場合は、犯罪を犯していないというのが「真実」です。
「真実」【しんじつ】の例文
・『真実を明らかにするのが役目だ』
・『彼が真実のことを話しているのかはわからない』
「真相」【しんそう】とは?
「真相」とは、真実のすがた、事件などの本当の事情という意味の言葉です。
とある事件が起きて犯人と思われるものが捕まったとします。
その後犯行を認め捕まったものが犯人である「真実」が生まれました。
ですが、どのような経緯で犯行を起そうと考えたか、犯行の際はどのような心情だったのかはまだわかりません。
このまだわからない部分が「真相」です。
「真相」【しんそう】の例文
・『真相が明らかにされるまでは、彼の言ったことが真実かどうかは分からない』
・『事件の真相を知りたい』
「真理」【しんり】とは?
「真理」とは、ほんとうのこと、まことの道理といった意味になります。
どれだけ時が流れようとも変わることのない本当のこと、正しい物事の考え方のような意味で「価値観」に似ている部分もあります。
ですが「価値観」ほど簡単に変わってしまうものではなく、この先も永久に変わらないであろう事象や思考のことを「真理」と言います。
「真理」【しんり】の例文
・『他者をむやみに傷つけてはいけないというのは真理だ』
・『真理とは永久不変なものである』
「真実」と「真相」と「真理」の違い
「真実」は、本当のことであり実際に起きたことを指す言葉で、物事の「答え」のような意味合いで使われます。
どのような経緯でそうなったかは関係なく、「真実」は一つしか存在しません。
「真相」も本当のことを表現した言葉ですが、「真実」を「答え」と例えるならば、「真相」は「計算式」とも例えられるでしょう。
どうしてそうなったのか、どうしてそのようなことが起きたのかといったことが「真相」です。
「真理」は、永久不変の本当のこと、正しい考え方というような言葉です。
長い期間年月をかけて生まれてくる「真理」は、簡単に変わってしまうようなことはなく、その先もずっと変わらないであろう物事の考え方です。
まとめ
ここまで「真実」と「真相」と「真理」の違いについて述べてきましたが、小さく違う部分もあり大きく違う部分もありました。
時として、嘘のことでも大多数が本当のことだと信じてしまい、嘘が本当のことのようになってしまうことがあります。
自分の目で「真相」を見て「真実」を見極めることがとても大切で、そのことが人間の「真理」であると言えます。