この記事では、「熟練」「熟達」「習熟」の違いを分かりやすく説明していきます。
「熟練」とは?
「熟練」は「じゅくれん」と読みます。
「熟」という字には、「くだものが十分にみのる」「十分に発育する」「うれる」という意味があります。
「練」は、「くり返し手をかけ、質のよいものにする」「ねる」という意味をもっています。
「熟」と「練」の2文字で構成される「熟練」は、「物事によくなれて、巧みなこと」という意味になります。
「巧み」とは手際がよく優れていることです。
つまり「熟練」とは「物事によくなれていて、手際がよく優れている」ということです。
「熟練を要する仕事」や「熟練工」などが一般的な使い回しです。
「熟練」の例文
・『彼は熟練した脳外科医として名声が高い』
・『熟練した機械工はかなりの賃金を稼ぐ』
・『あらゆる職業に手を出す者は何の熟練工にもなれない』
「熟達」とは?
「熟達」は「じゅくたつ」と読みます。
「熟」は前述したように、「くだものが十分にみのる」「十分に発育する」「うれる」という意味がありますという意味をもっています。
「達」は「ゆきつく」「届く」という意味を含んでいます。
「熟」と「達」の2文字で構成される「熟達」は「熟練して上達すること」という意味になります。
「仕事に熟達する」や「熟達者」といった使いかたをします。
「熟達」の例文
・『長く練習したおかげで彼はとても熟達した』
・『2、3年でフランス語に熟達するのはきわめて難しい』
・『専門技術への熟達の強調』
「習熟」とは
「習熟」は「しゅうじゅく」と読みます。
「習」には「くりかえしまねをして身につける」「ならう」「なれる」という意味があります。
「熟」は前述したように、「くだものが十分にみのる」「十分に発育する」「うれる」という意味です。
「習」と「熟」で構成される「習熟」は、「繰り返しけいこをして巧みになること」「なれて習慣となること」という意味になります。
「機械の取り扱いに習熟する」といった使い方が一般的です。
「習熟」の例文
・『彼はフランス語に習熟しようとした』
・『習熟が必要だが 何より大切なのは素早さだ』
・『新しい在り方やものの受け止め方を習熟することです』
「熟練」と「熟達」と「習熟」の違い
「熟練」と「熟達」と「習熟」の違いを説明します。
「熟練」は物事によくなれていて、手際がよく優れているということです。
「熟達」には熟練して上達すること。
そして「習熟」は繰り返しけいこをして巧みになることです。
「熟練」と「熟達」は微妙なニュアンスの違いはあるものの、意味に違いはほとんどありません。
それに対して「習熟」は繰り返しけいこをするという点で、物事によくなれているという意味の「熟練」「熟達」とは少し違ってきます。
まとめ
以上が「熟練」「熟達」「習熟」の違いです。
「熟練」と「熟達」にはほとんど意味に違いはありません。
それに対して「習熟」は繰り返しけいこをするという点が「熟練」「熟達」と少し違ってきます。