この記事では、「終焉」と「終末」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「終焉」と「終末」の違い
「終焉」と「終末」も物事の終わりという意味は共通しています。
ただし、その物事の終わりの中でも、言葉が示すニュアンス、表現方法が異なります。
「終焉」の方は、物事の終わりだけの意味ではなく、何か大きな物事が終わった後、結果を含めて使用する言葉となります。
また、「終焉」の方が「終末」に比べ、命、生命活動の終わり、本当の意味での最後や末期といった意味合いが強くなります。
この点において、違いがある「終焉」と「終末」です。
「終焉」と「終末」の使い方の違い
「終焉」と「終末」の使い方の違いとしては、どこに重点が置かれているかで判断することとなります。
「終焉」の場合、生命の終わりという意味が含まれているものの、実際、使用する際には、物事が終わり、結果が出ている意味の方に重点が置かれることが多くなります。
また、「終末」の場合は、物事が最後に到達するところやおしまいの結果を指す際に使用する言葉となります。
例えば、事件ということで比較した場合、事件の終焉ではなく、事件の終末を用いることで、より強く事件が解決し結果が出たという意味を持つ言葉となります。
「終焉」と「終末」の英語表記の違い
「終焉」の英語表記は、demise、the endとなります。
どちらも、物事の消滅や活動停止を意味する英語表現です。
例えば、世界の終わり(「終焉」)は、The end of the worldとなります。
「終末」の英語表記は、ending; terminatio; terminus; terminal。
例えば、終末医療は、terminal care。
終末論は、apocalypticismとなります。
「終焉」の意味
「終焉」は「しゅうえん」と読みます。
生命の終わりを意味する言葉で、物事の最期も意味します。
「終焉」のもともとの意味は、生命が終わり死ぬことでしたが、そこ意味から広がり、大きな規模の物事が終わるとき、深刻な何かが終わるときなどにも用いられるようにもなりました。
「終焉」の使い方
「終焉」の使い方としては、生命が終わるときや活動状況が終わることの際に使用する言葉となります。
例えば、人生の終焉や時代の終焉、終焉の地などになります。
「終焉」を使った例文
・『父は自宅で終焉を迎えることができてよかった』
・『私は終焉の地として故郷を選びたいと思う』
・『残念なことに一つの時代が終焉したと考えられる』
・『夫婦関係がすれ違いによって、終焉を迎えてしまった』
・『スキャンダルによって、彼の素晴らしいキャリアは終焉を迎えた』
「終焉」の類語
「死」という意味での「終焉」の類語としては、永眠や逝去、御事、卒、死歿、落命、絶命、死没などとなります。
また、物事の終わりの「終焉」の類語としては、最後や終結、物故。
時間の終わりの「終焉」の類語としては、ラストや終局、仕舞い、末期、閉幕、結末、末など。
最後の段階の「終焉」の類語としては、フィニッシュ、末路、終幕、末期、最終などとなります。
崩れて終わったという意味の「終焉」の類語は、崩壊です。
「終焉」には、いくつかの意味があるため、使用する際の意味を考え、このような類語が考えられます。
「終焉」の対義語
「終焉」の対義語は、人が生まれることを意味する、誕生や生誕。
比喩的な意味の場合には、物事の始まりを意味する、起原や発端などとなります。
「終末」の意味
「終末」は「しゅうまつ」と読みます。
意味としては、物事が最後に行きつくところや物事が終わり、結果が出ること、おしまいとなります。
「終末」には、生命や物事が終わること、そして、物事が終わり結果が出ることといった意味があります。
「終末」の使い方
「終末」の使い方としては、物事が最後に行きつくところや物事が終わり結果が出ることを意味する使い方となります。
例えば、世の終末や痛ましい終末、悪い終末などとなります。
「終末」を使った例文
・『思いもよらない終末となった』
・『末期がんの宣告を受け、終末医療へと切り替えることにした』
・『物語の終末は非常に切なく涙が出た』
・『世界の終末を予言する予言者』
・『無事に事件の終末を迎えることができた』
「終末」の類語
時間の終わりを意味する「終末」の類語には、ラスト、終わり、終局、仕舞い、おしまいなどがあります。
何かが終わる時期を意味する「終末」の場合は、エンディング、最後、果て、おしまいなど。
事件や出来事の結末を意味する「終末」の場合は、落、尻、ラスト、終幕、おしまい、どん詰りなどとなります。
このように同じ「終末」でも、使用する際の意味の違いによって、類語は異なる場合があります。
「終末」の対義語
「終末」の対義語は当初。
そのほか、始点や始発も対義語となります。
まとめ
以上が、「終焉」と「終末」の違いです。
「終焉」には、「終末」とは異なり、生命の終わりが大きくかかわってきます。
その違いを意識し、「終焉」と「終末」を使い分ける事が重要です。
