「謝礼」と「御礼」はどのような違いで使い分ければ良いのでしょうか。
今回は、「謝礼」と「御礼」の違いを解説します。
「謝礼」とは?
「謝礼」とは、「感謝の気持ちを示すために贈る金品」を意味する言葉です。
「謝礼」の使い方
人に感謝を伝える際は言葉にして伝えるだけでなく物を用意して相手に渡すことがあります。
「謝礼」とは「感謝している相手に対し感謝の意を示し相手に報いるために渡す」を意味する言葉です。
一般的には相手の働きや貢献に対する対価として支払われる金品を指すことが多く、感謝の気持ちも当然こめられてはいるものの報酬に近い意味合いで使われています。
例えば授業料や指導料など目上の人から教えてもらったことに対する対価として支払われる金銭は料金に当たるものですが、教えてくれたことに対する感謝の意が込められているため「謝礼」という言葉が用いられます。
「御礼」とは?
「御礼」とは、「恩恵を受けた相手に対して感謝の気持ちを示すこと」を意味する言葉です。
「御礼」の使い方
「御礼」は簡単に説明するならば「ありがとうの気持ちを態度で示すこと」です。
一般的には言葉にして相手に直接感謝の気持ちを伝える行為を指しますが、金銭や物品に感謝の気持ちを込めて相手に送る行為も含まれます。
感謝の気持ちを伝える行為だけでなく伝えるために発せられる言葉や贈られるプレゼントそのものも「御礼」といいます。
具体的な行動を伴うのが「御礼」であり心の中でありがたいと思うだけでは不十分です。
口に出して伝えたり手紙を送ったりなどの行動があって初めて「御礼」が成立します。
「謝礼」と「御礼」の違い
「謝礼」と「御礼」の違いは「言葉」です。
どちらも感謝の気持ちを意味しますが「謝礼」が金銭や物品など品物を渡して感謝の気持ちを伝えることを意味するのに対し、「御礼」は金品を渡さず言葉だけで感謝を伝える行為も含まれます。
ありがとうの気持ちを込めて贈られる金品が「謝礼」、言葉や手紙を渡したりなどありがとうの気持ちを伝える行為が「御礼」という違いで区別されます。
「謝礼」は貢献への対価というニュアンスが強く、「御礼」のほうが感謝の気持ちの純粋さは高めです。
「謝礼」の例文
・『カルチャースクールの先生に謝礼を支払った』
・『拾った財布を届けて1割の謝礼金をもらう』
・『手伝ってくれた人に謝礼も支払わないのはマナー違反だ』
・『謝礼の相場が分からない』
「御礼」の例文
・『来てくれた人に御礼の言葉を伝える』
・『プレゼントをもらったらすぐ御礼するのがマナーだ』
・『きちんと御礼も言えないようでは社会人失格と言われても仕方がない』
・『贈り物が届けられたので御礼の手紙を書く』
まとめ
「謝礼」と「御礼」は似たような意味で使われがちですが厳密には全く違う言葉です。
言い換えても意味が通じてしまうため間違いに気づかないまま使い続けている人も少なくありません。
同じ感謝の気持ちを意味する言葉でも使い方には違いがあります。
それぞれの言葉の意味を正しく理解してきちんと使い分けてください。