「捨てる」と「棄てる」は同じ読み方でも漢字が異なります。
では、2つの漢字はどのように使い分ければよいのか。
この記事では、「捨てる」と「棄てる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「捨てる」とは?
一般的に広く用いられる言葉「捨てる」。
「すてる」という言葉を変換する際には、一般的にこの「捨てる」に変換されます。
そのため、複数の意味を持つ「捨てる」。
不用なものを手放すという意味をはじめ、関係を断つこと。
関心を持たず無視すること。
興味などを失うこと。
今まで大切にしてきたものを犠牲にすること。
といった意味があります。
どれも、今まで自分の手元にあったものを手放すことを指すものとなります。
このように、「捨てる」の場合、必ずしも目に見えるような物体だけに用いられる言葉ではありません。
人の心の中にあるようなものに対しても「捨てる」といった言葉で表現します。
「捨てる」の使い方
日常的に用いることができる「捨てる」。
「ごみを捨てる」や「夢を捨てる」などといった形で、どのような言葉に対しても用いることが可能です。
「棄てる」とは?
「棄てる」は「放棄」にも用いられる漢字です。
この「棄てる」の場合、放棄や放置といった意味が強く、構うことなく放置することを意味します。
同じような意味として権利を手放す行為に対しても、この「棄てる」が用いられます。
また、不法投棄などといった言葉でも用いられる漢字から廃棄物を処分するといった意味もありますこのように、「棄てる」の場合、不用なものを今ある場所から廃除する行為に対し用いられるといった特徴があります。
「棄てる」の使い方
不用なものを「棄てる」際に用いられる言葉となり、また、深い意味合いとして用いられることが多い「棄てる」。
「希望を棄てる」や「財産を棄てる」などといった形で使用します。
「捨てる」と「棄てる」の違い
「捨てる」は手放す行為を意味し、「棄てる」は廃棄することを意味します。
この点に違いがある「捨てる」と「棄てる」。
「捨てる」は幅広く用いることができる言葉ですが、「棄てる」の場合は手に持っているもののみを対象とする特徴もあります。
「捨てる」の例文
・『私は夢を捨て今の職業に就きました』
・『ごみ捨て当番にもかかわらず、朝寝坊してしまいごみを捨てることができなかった』
・『最後まで勝負を捨てない者だけが勝ち残ることのできる厳しい世界です』
・『好きな人ができた私は、妻子を捨てて今の人と人生をやり直すことにしました』
「棄てる」の例文
・『僕は、今の地位や名誉を棄ててでも彼女と結婚したいと思う』
・『子供のためなら自分の命など棄てる覚悟はとっくにあります』
・『今回は利益を棄てる覚悟で契約に臨む』
・『不要になった大量のごみを棄てるためごみ処理施設に向かっています』
まとめ
以上のようなニュアンスの違いによって、この2つの言葉を適切に使い分ける必要があります。
