「建てる」と「造る」の違いとは?分かりやすく解釈

「建てる」と「造る」の違い生活・教育

「建てる」「造る」はどちらも建物や工事など建築関連で日常的に使う表現ですが具体的にはどのような基準で使い分ければよいのでしょうか。

今回は、「建てる」「造る」の違いについて解説します。

「建てる」とは?

「建てる」とは、「地面に固定され移動不可能な物体を作ること」を意味する言葉です。


「建てる」の使い方

「建てる」とは主に家やビルなどの建物を作るときに用いられる表現です。

下部を基礎で地面に固定し動かない状態で作り上げることを「建てる」と表現します。

一般的には住宅やビルなどの不動産を新たに作り出すことを指しますが、石碑など建物以外でもその場所にしっかりと固定され移動できない状態のものを作ることも「建てる」です。

建築や建設全般に用いられる表現ですが基本的にはある程度の大きさがある背の高いものをつくり上げる様子を表します。

日常会話では主に不動産に対して広く用いられています。


「造る」とは?

「造る」とは、「大掛かりなものを作ること」を意味する言葉です。

「造る」の使い方

「造る」という言葉は「構造がしっかりしている頑丈なものを作ること」を意味します。

ある程度の大きさがあって丈夫なものをつくり上げる様子を指す言葉で、基本的には重機や建機など大掛かりな機材を必要とするような規模のものを作るときに用いられる表現です。

「造る」対象になるのは実体のある構造物です。

抽象的な概念や作品などを創造する行為は「造る」に含まれません。

原料や資材を加工し形にして十分な機能を備えた完成品として作り上げる行為を「造る」と表現します。

具体的な規模や種類は明確に規定されていませんが、一般的には「個人の手作業だけでは作ることができないもの」に対して「造る」という表現を用いるほか、大きさや耐久性などが人の手仕事のみでできる常識的な範囲を超えているものに対して使われるのが「造る」です。

「建てる」と「造る」の違い

「建てる」「造る」の違いは「地面に固定されているか」です。

「建てる」は地面に基礎や支柱どを打ち込んでしっかりと根付かせ固定させた状態で作り上げることを意味します。

「造る」は地面に固定しない状態で構造物を想像することをあらわす表現です。

同じ物体を造り上げたとしても地面に固定されていれば「建てる」、地面に固定されておらず容易に移動させられる場合は「造る」です。

ユニット式の住宅などは現場とは別の場所で作り上げられてから現地に運ばれ地面に固定されます。

そのような場合は現場以外の場所で住宅を新しく作り上げる作業を「造る」、完成した住宅を現地に運び基礎やジョイントなどで動かないようしっかり地面に固定する作業を「建てる」と区別します。

「建てる」の例文

・『駅前の一等地にビルを建てる』
・『登山客を増やすため山の中腹に山小屋を建てる』

「造る」の例文

・『本社の隣に研究所を造る』
・『港のドッグで船を造る』

まとめ

「建てる」「造る」は土地との結びつきによって区別されます。

日常でもよく使われる言葉なのでそれぞれの言葉が持つ意味と使い分けの基準をしっかり覚えておきましょう。