この記事では、「充足感」と「満足感」と「充実感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「充足感」とは?
「充足感」【じゅうそくかん】とは、求めているものが不足なく満たされ、不平を感じていない状況を指します。
「充足感」は、「充足」と印象や感覚を表す「感」を組み合わせた複合語です。
「充足」は不足していた要素を外部から満たすことを指しており、「充足感」は、もともと足りなかった部分が満たされて不平がない状況を意味します。
心理的または物理的に「不足することなく得たい」と希望していた要素が不足なく得られ、好ましいと感じているニュアンスです。
類語は、成し遂げたと感じることを意味する「達成感」、後述する「充足感」「満足感」となります。
「充足感」の例文
・『のどかな田舎での生活に、精神的な充足感をおぼえる』
・『人から感謝される仕事をして充足感を得る』
「満足感」とは?
「満足感」【まんぞくかん】とは、望んでいたものが充分に得られ結果に納得していることです。
これは「満足」と「感」を組み合わせた複合語で、望んでいるものが満ち足りていると感じる様子を表します。
予定通りに事が運んで結果に納得できている、欲しかったものが充分に得られ不平が一切ない、といったニュアンスです。
類語は「充実感」や「達成感」です。
どちらも「満足感」と同様に、何かを成しとげ望んだ結果が得られる喜びを表しています。
「満足感」の例文
・『ボリュームたっぷりなランチに満足感を得る』
・『思い通りの作品に仕上げた満足感にひたる』
「充実感」とは
「充実感」は、結果に充分な手ごたえが感じられ、精神的に満たされている感覚です。
これは、中身が充分に満たされていることを意味する「充実」と「感」を組み合わせた複合語で、実質的に内容が満たされ豊かだと感じている状況を表しています。
手がけていることがうまくいって、不平や喪失感をおぼえることがない、手ごたえが感じられる、といったニュアンスです。
類語には「満足感」や「幸福感」があります。
雰囲気からもわかるように、喜び、精神的に満ち足りた心情を表す言葉となっています。
「充実感」の例文
・『充実感のある毎日を送っている』 ・『今月の目標を達成し、自分の仕事に充実感をおぼえる』
「充足感」と「満足感」と「充実感」の違い
「充足感」「満足感」「充実感」は共に、求めるものが得られたときの好ましい感情を表していますが、納得の仕方、喜びの度合いが異なります。
「充足感」は、望んでいるものが不足なく手に入り、不平がない好ましい心情を指します。
「満足感」は、望んでいたものが充分手に入り、結果に納得している状況です。
「充足感」より精神的に満たされ、喜びを感じている状態といえます。
「充実感」は、望み通りにことが運び、手ごたえややりがいを感じている状態です。
目の前にある状況に対し喜びや幸福を覚える状況となります。
「満足感」との違いは、与えられたものではなく自身が手がけて得た満足であるところです。
まとめ
「充足感」「満足感」「充実感」は、類語の関係にあるため混同しがちですが、「充足」「満足」「充実」では満たされる度合いや状況が異なります。
「〇〇感を感じる」と表現することは二重表現になり、正しくないこともあわせて覚えておきましょう。