「ノリ」と「勢い」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「ノリ」と「勢い」の違い生活・教育

この記事では、「ノリ」「勢い」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ノリ」と「勢い」の違い

「ノリ」「勢い」の違いについて紹介します。


「ノリ」と「勢い」の使い方の違い

「ノリ」は、「テンポよくその場の雰囲気に合わせること」に使われます。

その場で周囲に合わせて調子よくふるまうことを表します。

「勢い」は、「前へ向かってものが進む強さの度合い」に使われます。

ものごとの流れや力の入れ具合など、前に向かって動くことを表します。


「ノリ」と「勢い」の英語表記の違い

「ノリ」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「happy-go-lucky」で、「のんきな」「楽天的な」=「ノリがいい」というニュアンスです。

“He is really happy-go-lucky person.”
(彼は本当にノリがいい人だ)
2つ目は「easygoing」で、「空気が読める」「社交的」=「ノリがいい」というニュアンスです。

“He is easygoing, so he has a lot of friends to go out.”
(彼はノリがいいので、一緒に出歩く友達が大勢いる)
「勢い」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「on the spur of the moment」で、「その場の思い付きで」=「勢いで」というニュアンスです。

“I boutht the jewelry on the spur of the moment.”
(つい勢いで宝石を買ってしまった)
2つ目は「momentum」で、「弾み」「惰性」「勢い」という意味です。

“That company is gaining momentum these years.”
(あの企業はここ数年勢いを増している)

「ノリ」の意味

「ノリ」は漢字で「乗り」と書き、複数の意味がありますが、「ノリ」とカタカナ表記する場合には以下の3つの意味になります。

1つ目は「ある調子にうまくつられること」という意味で、音楽などリズムにうまく調子を合わせることを言います。

2つ目は上記から転じて「社交的で、人に対して明るく笑顔で接したり、誘いを受けたりする様子」という意味で、その場の雰囲気にうまく合わせることを言います。

3つ目は「その場の雰囲気合わせて調子付いてしまい、常識的に考えてやらない様なことをする様子」という意味で、悪ふざけが過ぎてしまうことを言います。

「ノリ」はリズムやテンポに合わせることに由来するので、いわゆる「縦方向」の動きを表す言葉です。

「ノリ」の使い方

「ノリ」「ある調子にうまくつられること」「社交的な様子」「調子付いてしまいやり過ぎること」に使われます。

「ノリがある・ない」「ノリが良い・悪い」などと使われたり、無茶をした時の言い訳として「その場のノリで」などと使われたりします。

俗語的に使われることが多く、盛り上がった場の雰囲気に合わせて自身も一緒に盛り上がっている様子に使われる表現です。

「ノリ」を使った例文

・『彼女はすごくノリが良くて、飲み会に誘ってもまず断らない』
・『ノリの良い上司で、何でもすぐに実行に移そうとするから疲れる』
・『その場のノリで皆におごってしまったが、生活費が足りなくて後悔している』
・『彼はいつもノリが悪いので、誰にも誘ってもらえなくなってしまった』
・『アマチュアバンドは技術よりもノリでお客さんにアピールすることが大切だ』

「ノリ」の類語

「弾みで(はずみで)」
「勢いよくはね返ること」「調子づいて活気付くこと」「そのときの思いがけない流れ」「何かをしたその拍子」「人に金品をふるまうこと」という意味です。

「つい弾みで彼氏に別れると言ってしまい、後悔している」などと使われます。

「成り行きで(なりゆきで)」
「ものごとが次第に変化していく様子や過程」という意味です。

「成り行きで彼と付き合うことになってしまった」などと使われます。

「ノリ」の対義語

「理論(りろん)」
「あるものごとを法則や根拠に従い、筋道を立てて説明すること」という意味です。

「彼は理論づくめだが、経験値はゼロらしい」などと使われます。

「勢い」の意味

「勢い」「いきおい」と読み、以下の6つの意味があります。

1つ目は「他を圧倒する程の活気」という意味で、活力に満ちている様子を言います。

2つ目は「社会を制圧するほどの権力」という意味で、地域や国家を支配する力のことを言います。

3つ目は「自然の力」という意味で、水や火、風など自然界の力のことを言います。

4つ目は「意気が盛んなこと」という意味で、調子付けたり元気づけたりすることを言います。

5つ目は「ものごとが動くときに発生する力や速度」という意味で、ものごとの強い流れのことを言います。

6つ目は「その時のはずみや調子」という意味で、行動する機運となるもののことを言います。

上記に共通するのは「前に進む力や速度の度合い」という意味で、「前方向」への動きを表す言葉です。

「勢い」の使い方

「勢い」は、「ものごとが前に進む力や速度の度合い」に使われます。

「勢いがある・ない」「勢いが強い・弱い」などと使われます。

前に向かう時のエネルギーやスピードがあるかないかを表す言葉で、意気盛んな様子を表す表現です。

基本的に活力があるという良い意味で使われますが、好ましくない結果になった時には「勢い余って」と使われることもあります。

「勢い」を使った例文

・『某アイドルは今年に入ってから破竹の勢いで活躍している』
・『消防活動をしたが、火の勢いが強くて食い止められなかった』
・『お酒に酔った勢いで相手にケンカを売り、警察沙汰になった』
・『自転車で勢い余ってカーブを曲がり切れずに壁に激突した』
・『最初は勢い良くリードしていたが、次第にスタミナ切れになった』

「勢い」の類語

「波に乗る(なみにのる)」「世の中の流れにうまく合わせて行動すること」「それまでよりもさらに調子よくなること」という意味です。

「スマホ業界は時代の波に乗って大成功を収めた」などと使われます。

「衝動的(しょうどうてき)」「心が突き動かされてしまい、よく判断せず無謀な行動をする様子」という意味です。

「彼女はペットショップの前を通りかかった時に、衝動的に子犬を購入してしまった」などと使われます。

「勢い」の対義語

「衰勢(すいせい)」「勢いの衰えた様子」という意味です。

「運気が衰勢に向かっているので、お祓いをしてもらおうと思う」などと使われます。

まとめ

今回は「ノリ」「勢い」について紹介しました。

「ノリ」「縦方向に調子よく合わせること」「勢い」「前方向に流れていくこと」と覚えておきましょう。