この記事では、「取得」と「保有」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「取得」と「保有」の違い
「取得」とは、自分のものとして手に入れることです。
「保有」とは、自分のものとして持っていることです。
2つの言葉には、手に入れる、持っているという意味の違いがあります。
たとえば、自動車の教習所の試験に合格をすれば、運転免許証を手に入れることができます。
このことは「取得」といいます。
手に入れることだからです。
運転免許証を自分のものとして持っていることは「保有」になります。
すでに持っている、持ち続けていることは「保有」です。
「取得」と「保有」の使い方の違い
自分のものとして手に入れることに「取得」を使用します。
物品、資格、権利などを手に入れることの意味がありますが、特に資格や権利などを手に入れることに使用されます。
自分のものとして持っていることに「保有」を使用します。
他人のものを一時的に預かっていることには、使用しないことが一般的です。
「取得」と「保有」の英語表記の違い
「取得」は英語で“acquisition”と表記をします。
「保有」は英語で“possession”と表記をします。
「取得」の意味
「取得」とは、手に入れることです。
物品、資格、権利を自分のものとして手に入れる意味があります。
教師として働くためには、教員免許を得なければなりません。
教員免許を得るためには、手に入れたい免許に対応した教育課程がある大学や大学に入学をし、決められた単位を取得して卒業し、さらに各都道府県教育委員会に教員免許の授与申請をする必要があります。
こうして、教員免許という資格を自分のものとして手に入れることができます。
このような手に入れることを「取得」といいます。
「取得」の使い方
持っていることではなく、手に入れることに使用をします。
育児休暇を取りたくて会社に申請をしました。
そして、育児休暇を得ることができました。
これは「取得」といえます。
このようなことは「育児休暇を取得する」といいます。
10年前に試験に合格をして、運転免許証を現在も持っています。
今持っていることには「取得」は使用しません。
これまで運転免許証を持っていなかった、あるいは一度失ってしまった人が、試験に合格して運転免許証を得ることは「取得」といえます。
「取得」は物品、資格、権利などを得ることに使用できますが、物品よりも資格や権利を得ることに使用することが多いです。
「取得」を使った例文
・『日本での永住権を取得する』
・『長年の努力の結果、やっと博士号を取得できた』
・『オーガニック認証を取得している化粧品です』
・『ライセンス取得を目指して学校に通う』
「取得」の類語
「獲得」や「入手」が類語です。
「獲得」には、手に入れることという意味があります。
苦労をして手に入れることに使われることが多いです。
「入手」にも、手に入れることという意味があります。
必要とするものを手に入れる意味を含みます。
「取得」の対義語
「手放す」が対義語です。
所有していたものを人に手渡すという意味があります。
「保有」の意味
「保有」とは、自分のものとして持っていることです。
スマートフォンを持っている人は少なくありません。
誰かから一時的に借りているものではなく、購入をして自分のものとして持ち続けているはずです。
このように、自分のものとして持っていることが「保有」です。
持ち続けるという意味も含まれています。
図書館から本を借りて、一時的に自分のものとして持っていました。
このようなことは「保有」とはいいません。
図書館の本は公共のものであり、自分のものではありません。
本屋さんで本を購入して、自分のものにしました。
自分のものになっているので、これは「保有」です。
「保有」の使い方
自分のものとして持っていることに使用をします。
物品、資格、権利など、さまざまなものに使用できます。
長期的に持っていることに使用することが多いです。
マイナンバーカードの申請をして、今自分のものとしてマイナンバーカードがあります。
マイナンバーカードは、この先もずっと持ち続けることでしょう。
他人のものではなく自分のものを持っているので「保有」を使用することができ、この場合は「マイナンバーカードを保有している」といえます。
「保有」を使った例文
・『携帯電話の保有率を調べる』
・『野菜ソムリエの資格を保有しています』
・『保有していた土地を売却する』
・『核兵器の保有を否定する』
「保有」の類語
「所有」や「所持」が類語です。
「所有」は自分のものとして持っていることで、さまざまなものに使用できます。
「所持」は身につけていることです。
「保有」の対義語
「手放す」が対義語です。
手に持っていたものをはなすという意味があります。
まとめ
意味が似ているように感じる2つの言葉ですが、手に入れること、持っていること、という違いがあります。