「処世術」と「渡世術」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「処世術」と「渡世術」の違い生活・教育

この記事では、「処世術」「渡世術」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「処世術」と「渡世術」の違い

あまり用いられることが多くはない「処世術」「渡世術」

この両者には明確な意味の違いがあります。

「処世術」には、巧みな世渡りの方法といった意味があり、暮らしていくための手段が「渡世術」となります。

そのほか、「処世術」の場合、不正を行うといった意味も含まれます。

ずる賢いといった意味もあり注意が必要です。

そんな、「処世術」「渡世術」の違いについて、使い方や例文などを踏まえご紹介させていただきます。


「処世術」と「渡世術」の使い方の違い

「処世術」「渡世術」は、同じような意味を持ちますが、適した使い分けが必要な言葉となります。

「処世術」は、「出世するためには処世術は必要」と目的や行動内容がぼやけていることいった使い方に対し、「渡世術」の場合、「渡世術として正社員になることを選ぶ」といったように明確な目的を示す使い方が多くなります。

「処世術」に比べ「渡世術」の方が現実的な方法、手段といった意味が強くなり、「処世術」の方は、ずる賢いといったニュアンスがあり、マイナスイメージの言葉として用いられる場合があります。


「処世術」と「渡世術」の英語表記の違い

「処世術」は、know‐how、how to get on in the world; the secret of success in lifeです。

「処世術を心得ている」は、know how to get on in life [how to swim with the current]。

「処世術がへたである」は、【形式ばった表現】 be lacking in worldly wisdom. となります。

「渡世術」は、a way of living、a means of livelihoodです。

「渡世術として」は、as a way of livingとなります。

「処世術」の意味

巧みな世渡りの方法といった意味となる「処世術」

世間と交わってうまく生活していくことといった意味がある「処世」「人が身につける特別の技といった意味を持つ「術」が付け加えられ、以上のような意味となります。

また、「処世術」は、マイナスな使い方を行うことが多く、ずる賢いといったイメージで用いられることがあるため、使用する際には注意しなければいけません。

「処世術」の使い方

「処世術」は、「処世術に長けた」をはじめ、「処世術を身につける」などといった表現方法があります。

ビジネスにおいても必要とされ、そのため、ビジネスの間でよく用いられる言葉となります。

ビジネスで成功するためには、時には世当たり上手になる必要もあります。

「処世術」を使った例文

・『実際には仕事ができないくせに、処世術が長けている奴は、うまく出世していくことが気に入らない。』
・『世の中に出て成功するためにはどんな処世術が必要なのか。』
・『処世術を身に着けるため、本を読み時にはセミナーにも参加し学んでみた。』
・『処世術に長けた人は、コミュニケーション能力も高く羨ましいと思うことがある。』

「処世術」の類語

「処世術」の類語には、うまく世間を渡ってゆくこと。

世わたりといった意味を持つ「遊泳術(ゆうえいじゅつ)」や世の中の事情に通じ、たくみに世渡りのできる才能といった意味を持つ「世才(せさい)」などがあります。

「処世術」の対義語

「処世術」には、明確な対義語はありません。

「渡世術」の意味

「渡世術」の意味は、今の世の中で暮らしていく方法です。

生活全般に使用することができ、生活していくための職業。

なりわい。

生業。

稼業(かぎょう)といった意味もあります。

「渡世術」の使い方

「渡世術を習得する」をはじめ、「渡世術を考える」「渡世術を磨く」などといった表現方法がある「渡世術」

一般的に生活における際に用いられる言葉となります。

「渡世術」を使った例文

・『今の世の中、先が見えない不安もあるため、私自身、渡世術を身に着けたいと思っています。』
・『専業主婦の私が離婚した場合の渡世術について真剣に考えてみた。』
・『趣味を渡世術にできるとは、非常にすばらしい人生だと思う。』
・『私自身の経験が子供たちの渡世術として参考になるのだろうか。』

「渡世術」の類語

「渡世術」の類語には、「世渡り」をはじめ、暮らしを立てていくこと。

また、その手だて。

なりわいを意味する「身過ぎ」などが「渡世術」の類語となります。

「渡世術」の対義語

明確な対義語は、「渡世術」にはありません。

まとめ

「処世術」「渡世術」の意味の違いは明確です。

そのため、十分に意味を理解し使い分ける必要があります。

間違って使用してしまうと、マイナスイメージとしてとらえられてしまう危険性があります。