この記事では、「自由」と「身勝手」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「自由」と「身勝手」の違い
「自由」には、2つの意味があります。
1つめは、何からも束縛や制約を受けず、思いのままなこと、自分の思う通りに振る舞うことができることです。
もう一つの意味は、他人のことは気にせずに自分のしたいようにすること、わがままのことです。
「身勝手」には、他人ことを考えずに、自分の利益や都合だけを考えて行動をするという意味があります。
「自由」の2つめの意味と、「身勝手」の意味はほぼ同じです。
「自由」には、自分の思うとおりに振る舞うことができることという意味もありますが、この意味には自分の利益や都合だけを考えて行動するという意味は含まれていません。
たとえば、車を自分が思った通りに運転できることは、「車を自由に運転する」といいます。
この点は「身勝手」とは意味が異なります。
「自由」と「身勝手」の使い方の違い
自分の思う通りに振る舞うことに「自由」を使用します。
「自由に遊ぶ」「自由に描く」などの使い方ができます。
自分のことだけ考えて行動することには、「身勝手」を使用します。
「身勝手な発言」「身勝手な上司」などの使い方ができます。
「自由」と「身勝手」の英語表記の違い
「自由」は英語で“freedom”や“liberty”と表記をします。
「身勝手」は英語で“selfish”と表記をします。
「自由」の意味
「自由」には、2つの意味があります。
1つめは、自分の思う通りに振る舞うことができること、またそのさまです。
束縛や制約がない状態といえます。
会社や官庁などに勤めている人は、何時から何時まで仕事をすると時間が決められていますが、これ以外の時間は自分が好きに使うことができます。
好きに使う時間は自分の思うことをすることができます。
このような時間のことを「自由な時間」といいます。
もう一つの意味は、わがままです。
わがままとは、自分のことしか考えずに振る舞うことです。
小さな子どもは、欲しいおもちゃがあると買ってとねだることがあります。
親が買えませんといっても駄々をこねて、その場で泣いたり、叫んだりすることもあります。
このような振る舞いは周りの人のことを考えていないといえます。
こういったことがわがままであり、「自由」です。
「自由」の使い方
束縛や制約を受けずに、自分の思う通りに振る舞うことができることに使用をします。
飲食店に行くとメニュー表があり、そこにはさまざまな料理の名前が並んでいます。
客はさまざまあるメニューの中から、自分が食べたいものを選ぶことができます。
飲食店側からこれを食べなさいと強制されることはありません。
制約を受けず自分の思う通りにできているので、「自由に選ぶことができる」といいます。
この例は誰にも迷惑をかけていませんが、わがままという意味で「自由」という言葉を使うときには、自分のことしか考えていないので、誰かに迷惑をかけていることがあります。
「自由」を使った例文
・『ご自由にお取りください』
・『部屋を自由に行き来する』
・『自由に使って構いません』
・『自由に選んでください』
「自由」の類語
「フリー」が類語です。
「フリー」は「自由」と同じ意味の他に、フリーランサー、フリーカメラマンなど、組織などに所属していないという意味があります。
「自由」の対義語
「制約」「束縛」が対義語です。
「制約」には、ある条件や枠を設けて、自由な活動をおさえつけるという意味があり、「束縛」には、制限を加えて自由を奪うことという意味があります。
「身勝手」の意味
「身勝手」とは、自分の利益や都合だけを考えて、自分の思う通りに行動をすることです。
スーパーのレジに人が並んでいます。
順番を待ってレジを通過するのがルールです。
早く順番が来ないかなと思っている人もいますが、自分の都合だけでなく周りの人のことを考えて、順番待ちを我慢しています。
そういった人がいるのに、自分は早くレジを通りたいからと並んでいる人の列に割り込みする人がいます。
この人は、他人のことを考えず、自分の都合だけを考えた行動をしているといえます。
このようなことが「身勝手」です。
「身勝手」の使い方
他人のことを考えずに、自分の利益や都合だけを考えた行動することに使用をします。
「身勝手な行動」のように使用しますが、「身勝手な行動」をしている人は、自分が「身勝手」だと思っていないことがあります。
「身勝手」を使った例文
・『身勝手な彼にストレスがたまる』
・『自分の身勝手さを反省する』
・『身勝手な理由は許されない』
・『身勝手な行動に非難が集まる』
「身勝手」の類語
「わがまま」が類語です。
「身勝手」の対義語
「利他」が対義語です。
自分のことよりも他人の利益を考えることの意味があります。
まとめ
2つの言葉はほぼ同じ意味の部分もありますが、「自由」には思い通りに振る舞うことができることという意味もあり、「身勝手」と意味が完全に同じというわけではありません。