「算段」と「目論見」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「算段」と「目論見」の違い生活・教育

この記事では、「算段」「目論見」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「算段」と「目論見」の違い

「算段」「目論見」はどちらも「目的を実現するための方法・手段を考えること」の意味を持つ言葉ですが、「算段」のほうが「目論見」よりも「あれこれ頭を悩ませながら考える・より一生懸命に上手くいく方法を練る」といった意味のニュアンスが強くなっています。

「目論見」というのは「ある目的を実現するための企て全般」を意味しますが、「算段」のほうは「懸命になって苦心しながら、目的達成(困難回避)のための方法・手段を考えること」を意味している違いがあります。

さらに「算段」には「目論見」にはない「金銭を何とかして工面する」の意味もあります。


「算段」と「目論見」の使い方の違い

「算段」という表現は「あれこれ悩んだり苦労したりしながら問題解決の手段・方法を考える」の意味で使われますが、「目論見」のほうは「(特別に苦心するの含意はなく)計画を企てること全般」の意味で使われる違いがあります。

「受験合格のために算段する」のほうが「受験合格の目論見を立てる」よりも、「心を悩ませる・苦心するの含意」が強いのです。

また「算段」「交通費を算段する」のように「何とか工夫して金銭を準備する」の意味で使えますが、「交通費を目論見する」といった言い換えはできない違いもあります。


「算段」と「目論見」の英語表記の違い

「算段」の言葉を、英語で表記すると以下のようになります。

“try to think of a good way to~”(~する良い方法を考えようとする・~の算段をする)

“work out”“figure out”(物事を上手くやる方法を考える・~を上手くやる算段をする)

“manage to raise money”(お金を計画的に工面する・お金を算段する)

「目論見」の表現を、英語を使用して表記すると以下のようになります。

“plan to~”(~することを計画する・~する目論見を立てる)

“attempt~”“try to~”(~を試みる・~をやろうとする・~する目論見を持つ)
“intend to~”(~することを意図する・~する目論見を持つ)
“plot to~”(~することをたくらむ・~する目論見を立てる)

「算段」の意味

「算段(さんだん)」とは、「あれこれ頭(心)を悩ませながら、問題を解決するための方法や手段を考えること」を意味している言葉です。

「算段」というのは、「懸命になって苦心しながら、目的を達成するためのやり方・手段を考案すること」を意味しているのです。

また「算段」には、「色々な工夫をして必要なお金を工面すること」「あれこれ考えながらお金を準備すること」といった意味合いもあります。

「算段」の使い方

「算段」という言葉は「明日の会議を乗り切るために算段する」のように、「特定の目的を達成するために、心を悩ませながら懸命に方法や手段を考える」という意味合いで使います。

また「算段」には「必要なお金を何とか工夫して用意する」の意味もあるので、「親友が必要経費を算段してくれました」といった例文でも使用可能です。

「算段」は、「算段する・算段をする・算段を立てる・算段が立つ・算段がある・算段が外れる」などの用法で使う使い方があります。

「算段」を使った例文

・『強敵に必ず勝利するために算段しました。』

・『成功できるという算段がなければ、あなたをこの計画に誘ってはいません。』

・『相手の裏をかいて勝負するという算段が外れて、思っていた以上の損失が出ました。』

・『仕事のために必要な経費を何とか算段しました。』

・『両親が土地を売って算段をしてくれたので、アメリカに留学するという貴重な経験が出来たのです。』

「算段」の類語

「算段」の類語は、以下になります。

「計略(けいりゃく)」「策略(さくりゃく)」……物事を上手くいくために考えた方策・方略や謀(はかりごと)。

「捻出(ねんしゅつ)」……お金やアイデア(案)などを苦労してひねり出すこと、何とか準備すること。

「工面(くめん)」……あれこれ工夫・苦労して必要なお金を用意すること。

「算段」の対義語

「算段」の対義語は、以下になります。

「無策」……問題を解決するための何の方策も手段もないこと。

「計算なし」……目的を実現するための論理的な道筋や工夫した方法がないこと。

「目論見」の意味

「目論見(もくろみ)」とは、「何らかの目的を達成するための企て全般・計画全般」を意味している言葉です。

「目論見」という名詞は、「目論む(もくろむ)」という動詞の連用形が名詞化して生まれた言葉です。

「目論見」の表現は、「何かを実現するための計画を企てる・計画を立てる」「何かを達成したり回避したりするための巧みな策略を練る」といった意味のニュアンスを持っていて、良い意味でも悪い意味でも使われます。

「目論見」の使い方

「目論見」という言葉は、「私にはこの難局を乗り越えるための目論見があります」のように、「何かを達成(実現)するための計画や企て」といった意味で使う使い方をします。

また「目論見」の表現は、「目論見がある・目論見がない・目論見を持つ・目論見を実現する・目論見書・目論見が当たる・目論見が外れる・目論見通り」などの用法で使うことができます。

「目論見」を使った例文

・『目論見通りに株価が動いてくれたので、大きな利益を上げることができました。』
・『私たちにはこの新規ビジネスで必ず成功できるという目論見があります。』
・『投資信託の目論見書に目を通したのですが、私にはあまり良い金融商品であるとは思えませんでした。』
・『彼女が別れずに自分について来てくれるという目論見が外れました。』
・『新型コロナウイルスの感染拡大が早期に収束する目論見が外れたため、東京五輪に外国人客を呼ぶことができなくなりました。』

「目論見」の類語

「目論見」の類語は、以下になります。

「計画(けいかく)」……何かを実際に行うために、事前に方法・手順・日時などを考えておくこと。

「企て(くわだて)」……何かを実行しようとする意図。

目的を達成するため、事前に考えられた計画・たくらみ。

「策略(さくりゃく)」「方策(ほうさく)」……ある目的を実現するために工夫して考えられた方法・やり方。

「目論見」の対義語

「目論見」の対義語は、以下になります。

「無計画(むけいかく)」……前もって何かをするための計画を立てていないこと。

事前の計画なしで、ぶっつけ本番で臨むさま。

「無鉄砲(むてっぽう)」……事前に物事の是非・結果をよく考えず計画も立てずに、むやみやたらに行動して突っ走ること。

まとめ

「算段」「目論見」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「算段」「目論見」の意味・使い方・例文・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。