世の中には様々な分野で専門用語が存在します。
その中で「適用」「準用」「類推適用」という言葉があります。
日常生活においてはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、果たしてこれらの言葉は何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「適用」と「準用」と「類推適用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「適用」【てきよう】とは?
「適用」とは法律用語で、当てはめて用いることを意味しています。
ある事象をある法律や規則に当てはめるということです。
何かしらの判断を法律的に語らなくてはいけない場合、その事象が現在定められている法律や規則のどれに合致しているのかを見つけて当てはめて語る必要があります。
例えば、事象Cには民法A条を適用しBとするという場合は、事象Cに民法A条が当てはめられそうなので当てはめてBという判断を下したということになります。
「準用」【じゅんよう】とは?
「準用」とは法律用語で、似たものに一部修正を加えて当てはめることを意味しています。
ある事象に「適用」できそうな法律や規則はないけれど、似た法律や規則ならあるという場合にはその法律や規則を「準用」して語るというわけです。
例えば、民法A条の第3項だけをBとすれば事象Cに当てはめられそうな場合、事象Cについては民法A条を準用するただし第3項はBと読み替えるとなります。
「類推適用」【るいすいてきよう】とは?
「類推適用」とは法律用語で、似ている事象についての法律や規則を当てはめることを意味しています。
例えば、事象Cに「適用」できそうな法律や規則がないけれど、Aという法律や規則で当てはめられる似たような事象があるといった場合には、Aの解釈の幅を広げて事象Cに当てはめるわけです。
先述の「準用」が法律や規則の一部を変更して当てはめるのに対し、「類推適用」は変更するのではなく法律や規則の考え方を少し広げるというわけです。
「適用」と「準用」と「類推適用」の違い
「適用」と「準用」と「類推適用」の違いを簡単にまとめると次のようになります。
「適用」とは、「法規を当てはめて用いること」を意味しています。
事象にピッタリな法規があった場合に使う言葉です。
「準用」とは、「法規に一部修正を加えて当てはめること」を意味しています。
事象にピッタリな法規がないけれど似ている法規ならある場合に使う言葉です。
「類推適用」とは、「法規の解釈の仕方を広げて当てはめること」を意味しています。
似ている事象が当てはめられる法規の解釈の幅を広げれば当該事象にも当てはめられそうな時に使う言葉です。
「適用」「準用」は法規に忠実に則っているような言葉なのに対し、「類推適用」は法規に対して解釈という人の考え方が加わってくる言葉であるのが特徴です。
まとめ
「適用」と「準用」と「類推適用」の違いについて述べてきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
法律用語なので日常生活においてはあまり馴染みがないかもしれませんがいつ何が起こるかわからないのが世の中です。
覚えておいて損はないと思います。