組織的な計画に関わる人を指す言葉に「参謀者」と「首謀者」があります。
この言葉は具体的にどのような人を指すのでしょうか。
今回は、「参謀者」と「首謀者」の違いについて解説します。
「参謀者」とは?
「参謀者」とは、「計画の中心人物に対して専門知識を提供し作戦立案などの頭脳労働を担当する人」を意味する言葉です。
「参謀者」の使い方
「参謀者」の「謀」という字は「はかりごと」と読みます。
はかりごととは「計略」「謀略」など「知恵を尽くし相手を陥れるための計画」を意味する言葉です。
本来「参謀者」という言葉そのものに善悪の区別はありませんが一般的には悪事や陰謀など良くない意味合いで用いられる表現です。
「参謀者」とは「はかりごとに参加する人」を意味する言葉ですが単に計画に参加しているだけではなく「その人がいないと成立しないほど深く計画に関わっている中心的な役割の一角を担う人」を表します。
「参謀者」と似た意味の言葉として「参謀」があります。
「参謀」とは、「軍事組織において計画や作戦立案などを行う軍師的な役職」を指す言葉でこちらにはネガティブな意味合いはありません。
「首謀者」とは?
「首謀者」とは、「計画を企てた中心人物」を意味する言葉です。
「首謀者」の使い方
「首謀者」とは計画の発起人や計画の実現に向けて動いた責任者など「最初に発案し実現のため率先して動いた計画の関係者の中でもっとも重要な中心人物」を指します。
一般的には悪事や陰謀など悪い意味合いで使われる言葉ですが、クーデターや社長交代など必ずしも悪事とは断言できないような体制への反逆行為に対しても「首謀者」という表現が用いられます。
「首謀者」は通常計画におけるトップの人物を指しますが、黒幕や裏で糸を引くものなど計画を発案しておきながらトップにお飾りを据えて表舞台にでない人間が「首謀者」であるケースも少なくありません。
グループで計画を立案するなど「首謀者」が複数存在することもあります。
「参謀者」と「首謀者」の違い
「参謀者」と「首謀者」の違いは「計画への関わり方」です。
「参謀者」は作戦を練ったり補給や整備の手配をしたりといった計画の実現に向けて働くことで組織に関与する人を指すのに対し、「首謀者」は計画そのものをスタートさせた人を指します。
1のアイデアを10や100など実現に向けて進めていくのが「参謀者」、まったく何もない0のところに1という新しいアイデアを生み出し計画としてスタートさせるのが「首謀者」という違いがあります。
「参謀者」がいないと計画がうまく進みませんが「首謀者」がいないとそもそも計画そのものが存在しません。
計画に大きな責任があるのが「参謀者」、計画の全責任を負うのが「首謀者」という違いで区別されます。
「参謀者」の例文
・『偉大な世界征服計画に協力してくれる優秀な参謀者が集まった』
・『参謀者の尽力により秘密裏に破壊兵器を調達することに成功した』
「首謀者」の例文
・『組織は壊滅したが首謀者には逃げられてしまった』
・『とらえられた首謀者が裁判にかけられる』
まとめ
「参謀者」と「首謀者」は日常生活ではあまり使わない言葉ですが事件報道や物語など耳にする機会は少なくありません。
耳なじみのない言葉だからこそこの機会に正確な意味を覚えておきましょう。