この記事では、「圧倒的」と「比較的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「圧倒的」と「比較的」の違い
「圧倒的」と「比較的」の違いについて紹介します。
「圧倒的」と「比較的」の使い方の違い
「圧倒的」は、「他よりはるかに勝っている様子」に使われます。
他よりも規模が大きかったり、能力がいちじるしく高かったりして、明らかにレベルが違うことが分かることを言います。
「比較的」は、「他と比べてみて、どちらかと言えばという意味」に使われす。
明らかにはっきりと分かるのではなく、他のものや一般的な基準と比べてみて度合いが分かることを言います。
「圧倒的」と「比較的」の英語表記の違い
「圧倒的」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「overwhelming」で、「逆らえない」「圧倒的な」という意味の形容詞です。
“This request was approved by an overwhelming majority.”
(この申請は圧倒的多数で承認された)
2つ目は「great」で、「偉大な」「素晴らしい」「圧倒的な」という意味で、「グレート」と日本語にもなっています。
“He has a great presence.” (彼には圧倒的な存在感がある) 「比較的」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「relatively」で、「どちらかと言うと」「どちらかと言えば」「比較的」という意味の副詞です。
“That singer is relatively popular.”
(あの歌手は比較的有名だ)
2つ目は「comparatively」で、「割合」「かなり」「比較的」という、やや硬い表現です。
“This time I did comparatively well on the recruiting interview.”
(採用試験の面接で今回は比較的よくやれた)
「圧倒的」の意味
「圧倒的」は「あっとうてき」と読みます。
意味は「他とは比べ物にならないくらい勝っていたり、優れていること」です。
相手や他の物と一緒にあって、規模や能力が比較する必要もないほど明確に優れていると分かることを言います。
「圧」は「おさえる」「おさえつける」という意味、「倒」は「たおれる」とも読み、他の漢字と組み合わせて「程度や状態がはなはだしいことを表す」という意味、「的」は「その様な傾向がある」という意味、「圧倒的」で、「程度や状態において、他をはなはだしくおさえつける傾向があること」になります。
実際に競ったり比較しなくても、目で見ただけで、或いは雰囲気などで勝っていることが分かる状態です。
「圧倒的」の使い方
「圧倒的」は、「規模や能力において、他とは比べ物にならないくらい勝っていたり、優れていること」に使われます。
名詞・形容動詞として「圧倒的だ・である」と使われたり、「圧倒的な〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「圧倒的に」と副詞として使われたりします。
他よりも、その人や物が桁違いに勝っていたり、優れていることに使われ、「劣っている」という意味では使われません。
従って「圧倒的に負けた」は誤用になります。
「圧倒的」を使った例文
・『彼はいつも圧倒的な演奏で観客を魅了する』
・『あのチームは毎年圧倒的な強さで優勝している』
・『今建設中のホテルは圧倒的に広い温泉が売り物だそうだ』
・『今日の会議において業務改善プランが圧倒的多数で可決された』
・『課金勢の方が強いのは、圧倒的に強いアイテムを持っているから当たり前だ』
「圧倒的」の類語
・「格段の差(かくだんのさ)」
「他と比べて程度がはなはだしく開いている様子」という意味です。
「プロの作品はアマチュアのと比べて格段の差がある」などと使われます。
・「ずば抜けて(ずばぬけて)」
「複数の人や物の中でも際立って優れている様子」という意味です。
「彼女はパソコンに関してずば抜けたスキルを持っている」などと使われます。
「圧倒的」の対義語
「圧倒的」の対義語は「比較的」で、以下に紹介します。
「比較的」の意味
「比較的」は「ひかくてき」と読みます。
意味は「他の人や物と比べたり、一般的な基準を考えた時に判断される様子」です。
「他の人や物と比べてみて、どちらかと言えば」または「一般的な基準と照らし合わせて考えてそうと言える」時の表現です。
「比」は「くらべる」とも読み「照らし合わせる」という意味、「較」は「突き合わせる」という意味、「比較的」で「照らせ合わせたり付き合わせたりしてその傾向があること」になります。
はっきりとそう分かる、絶対的にそうであるという意味ではなく、「どちらかと言えば」という意味なのです。
「比較的」の使い方
「比較的」は「他と比べたり、一般的な基準で考えて、どちらかと言えば」という意味で使われます。
「比較的」「比較的に」と副詞として使われることが多くなります。
優劣や上下など、どちらの場合でも使われる言葉で、絶対的な違いがない分個人の主観で使われることが多い表現です。
「比較的」を使った例文
・『今回の数学の試験は比較的簡単な問題が多かった』
・『格安で予約したホテルだが、比較的キレイで料理もまあまあだった』
・『あの家は比較的最近建てられたが、地震で倒壊してしまった』
・『夕べの合コンでは比較的イケメンがそろっていて楽しかった』
・『今年の夏は比較的過ごしやすいと思う』
「比較的」の類語
・「割合(わりあい)」
「他と比べて自分が思っていた以上であったり、程度た高めであること」という意味です。
「割りと」「わりかし」などと言うこともあります。
「今日は平日なのに割合混雑している」などと使われます。
・「結構(けっこう)」
「あるものごとの結果や現象に満足して肯定的に思うこと」「普通より度合いが高い・低いと思うこと」という意味です。
「この先には結構きつい坂がある」などと使われます。
「比較的」の対義語
「比較的」の対義語は「圧倒的」になります。
まとめ
今回は「圧倒的」と「比較的」について紹介しました。
「圧倒的」は「他よりはるかに勝っている様子」、「比較的」は「どちらかと言えば」と覚えておきましょう。