この記事では、「際立つ」と「目立つ」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「際立つ」と「目立つ」の違い
「際立つ」とは、周囲のものとはっきりと区別でき、とりわけ目立つことです。
「目立つ」とは、きわだって見えること、とりわけ人目をひくことです。
どちらの言葉にも、特に人目をひくという意味がありますが、若干ニュアンスが違います。
「際立つ」の場合は、周囲の他のものとはっきり区別できるという意味を含んでいます。
書道には、技量を表す等級として段位・級位があります。
9級と八段を比べると八段の方が上です。
いくつもある9級の書の中に八段の書が1つだけあると、1つだけ目につくはずです。
八段の書がいくつもある中よりも、9段の書の中にあった方が、1つだけはっきりそのよさが区別できます。
このようなことが「際立つ」です。
よい意味を含んでいます。
「目立つ」の場合は、視覚的にはっきり区別できることです。
よい意味も悪い意味も含んでいます。
たとえば、クラスの中に1人だけ茶髪な生徒がいたとします。
この場合は悪い意味で「目立って」いるといえます。
「際立つ」と「目立つ」の使い方の違い
どちらの言葉にも、特に人目をひくという意味があり、同じように使うことができますが、「目立つ」は特に視覚的なことに使用をします。
「肌のシミが目立つ」のような使い方です。
また、「目立つ」はよい意味でも悪い意味でも使用します。
「際立つ」は視覚的なこと以外にも使用されています。
「食感が際立つ」のような使い方ができ、これは視覚的なことではありません。
悪い意味よりもよい意味で使われることが多い言葉です。
「際立つ」と「目立つ」の英語表記の違い
「際立つ」は英語で“stand out”や“be conspicuous”と表現をします。
「目立つ」は英語で“be conspicuous”や“be noticeable”と表現をします。
「目立つ」と人の注意を引きやすくなります。
人の注意を引くという意味では“attract attention”と表現をします。
「際立つ」の意味
「際立つ」とは、周囲のものとはっきりと区別がつき、ひときわ目立つという意味があります。
完熟のイチゴを使用したいちご大福は、イチゴの甘さがはっきりとします。
味には、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味があり、その中でも甘味が特にはっきりしているといえます。
このようなことが「際立つ」です。
いちご大福の例だと味覚についてですが、視覚的なことでも、味覚のような視覚以外のことでも、周囲のものとはっきり区別がついて目立つことを「際立つ」といいます。
目の下のフチの部分にラインを引くと、目の輪郭がはっきりとします。
顔の中の他のパーツと比べてはっきりします。
これは視覚的な意味で「際立つ」ことです。
「際立つ」の使い方
ひときわ目立つことを指して使用をします。
他とはっきり区別がつくという意味を含んでいます。
また、「際立つ」はよい意味で使われることが多いです。
クラスの中に1人だけ校則違反の生徒がいました。
他の生徒とはっきりと区別がつき、ひときわ目立ちます。
しかし、こういったことには「際立つ」は使用しません。
「際立つ」を使った例文
・『濃厚なうまみが際立つ』
・『きめ細かな肌の美しさが際立つ』
・『際立つ香り』
・『存在が際立つ』
「際立つ」の類語
「目立つ」「引き立つ」が類語です。
「引き立つ」には、いちだんとよく見えるという意味があります。
「際立つ」の対義語
「目立たない」が対義語です。
「目立つ」の意味
「目立つ」には、とりわけ人目につく、きわだって見えるという意味があります。
白いシャツにミートソースがついてしまうと、ミートソースのシミがきわだって見えます。
このようなことが「目立つ」です。
「目立つ」の使い方
とりわけ人目につくことについて使用をします。
「目立つ」は対象のよい・悪いに関係なく使うことができます。
シャツに食べもののシミがついてしまうと「目立ち」ます。
これは悪い意味での「目立つ」です。
サッカーの試合である選手が他の選手よりも活躍していました。
これはよい意味での目立つです。
また、「目立つ」は視覚的なことに使われることが多くあります。
シャツのシミや選手の活躍などは、視覚的なことです。
視覚的なことではないので、「匂いが目立つ」のような使い方はしません。
「目立つ」を使った例文
・『緑の葉の中にある赤い実が目立つ』
・『年齢を重ねて肌のシミが目立つようになった』
・『目立つように看板を設置する』
・『目立つ色の服を着る』
「目立つ」の類語
「際立つ」「引き立つ」が類語です。
「目立つ」の対義語
「目立たない」が対義語です。
まとめ
どちらの言葉にも、とりわけ人目につくという意味が含まれていますが、使い方に違いがあります。
「目立つ」は視覚的なことに使うことが多く、「際立つ」は視覚的なことにもそれ以外のことにも使われます。