この記事では、「実在」と「存在」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「実在」と「存在」の違い
「実在」とは、実際に存在することです。
「存在」とは、人や物事などがあることです。
「実在」の意味の中に「存在」という言葉が含まれており、同じ意味のように感じますが、若干意味が違います。
「存在」は、人や物事があることで、「神の存在を信じる」のように、現実世界に本当にあるかわからないものも指すことができます。
ある働きや価値がそこにあるという意味を持っており、「クラスの中で目立つ存在」のような使い方もできます。
物が置いてあるというような意味のそこにあるという意味だけでなく、ある働きや価値がそこにあるという意味なので、このような使い方ができるのです。
「実在」の場合は、現実にあるもののことです。
物がそこに置いてある、目に見ることができるといったような、現実にあるものという意味になります。
「実在」と「存在」の使い方の違い
「実在」は、現実にあるという意味で使用します。
「神の実在を信じる」とはせず、この場合は「神の存在を信じる」となります。
実際にないものについては、「実在しない」といいます。
「存在」は人や物事などあることという意味で使用します。
「実在」と「存在」の英語表記の違い
「実在」は英語で“real”や“real existence”と表現をします。
「存在」は英語で“existence”と表現をします。
「実在」の意味
「実在」には、実際に存在すること、現実にあるものという意味があります。
小説で語られることはフィクションです。
しかし、小説の中に登場する人物や場所は、現実にあることもあります。
人物の場合は、本当に存在していた人をそのまま小説に登場させるのではなく、名前などある程度変えていることもあります。
実際に場所があるものの場合は、聖地巡礼といって訪れる人もいます。
フィクションであれば「実在」ではありませんが、本当に現実世界にあるので「実在」するといえます。
「実在」が意味するのは現実世界にあるもののことで、頭の中にあるもののことではありません。
歴史上の人物は、いま私たちがいる時代には存在していませんが、過去には存在していたので「実在の人物」ということができます。
「実在」の使い方
実際に存在するもののことを指して使用します。
今、目の前に1つのケーキがあります。
これはケーキが現実の世界にあるので「実在」しているといえます。
このケーキを食べてしまうと形がなくなり、「実在」しないことになります。
胃の中にケーキの成分が残っているではないかと思うかもしれませんが、このようなことには「実在」という言葉は使用しないことが一般的です。
頭の中にあることも「実在」とはいいません。
空想して頭の中で作られているものには使用しない言葉です。
幽霊についても使いません。
幽霊の存在を証明することは難しく、現実にあるといえるか疑問があります。
「実在」を使った例文
・『実在する人物をモデルにする』
・『どこかに実在する人物』
・『ある地方に実在しているようだ』
・『○○県に実在する企業をモデルにしている』
「実在」の類語
「存在」が類語です。
「実在」の対義語
「空想」が類語に近い言葉です。
現実にはあり得ないようなことを想像することという意味があります。
「存在」の意味
「存在」とは、ある働きや価値を持って、人や物事があることです。
道端に石が落ちています。
現実にあるものですが、意識していないときには「石が存在する」とは、あまりいいません。
「存在」には、ある働きや価値を持ってという意味が含まれており、意識されずにそこにあるだけでは、ある働きや価値を持っているとはいえず、「石が存在する」とは言わないのです。
しかし、ある人にとってはその意志が価値あるものかもしれません。
その場合は、「石が存在する」といえます。
「実在」は手に触れることができるもののことだけでなく、情報など手に触れることができないものでも、そこにあれば「実在」するということができます。
「存在」の使い方
ある働きや価値を持って、人や物事がある事について使用をします。
今現在そこになくても、「過去に存在していた人物」のように、過去にあったものについてもいうことができます。
「存在」を使った例文
・『毎日川に水を汲みに行かなければならない国が存在する』
・『安心感を与えてくれる存在』
・『なくてはならない存在』
・『チームにとって重要な存在だ』
「存在」の類語
「既存」「現存」が類語です。
「既存」には、すでに存在しているという意味があります。
「現存」とは、現実にあることです。
「存在」の対義語
「非存在」が対義語です。
まとめ
2つの言葉はほぼ同じ意味を持っていますが、若干ニュアンスが異なります。